「同労者」第10号(2000年7月)                          目次に戻る

ショートコラムねだ

− I Love You −

 世はまさにコンピュータ時代に突入しつつある。携帯電話の加入数が、据え置き型電話の加
入数を越えたという。その携帯電話にi−モードなるものが加わって、インターネットの情報は携
帯電話に届く。i−モードの携帯電話にCCDカメラをつけ、携帯電話でいきなり画像も発信でき
るようにする作業が急ピッチで進められている。家内に買い物を頼まれて、指定の物がない
と、代替えはこれでよいかなどと、電話をかけることがしばしばあるが、店の品物を携帯電話
のカメラで家にいる家内にみせてこれでいいか確認できることになる。そうなれば、買ってきて
しまってから、これじゃダメ!と家内に叱られることも減るというものだ。
 世の中便利になると、邪魔をするやつも現れる。"I Love You"なる名前のコンピュータ・ウィ
ルスがEメールによって世界中に広まり、その被害総額は1兆円を超えたという。人は"愛して
るヨ"とか、"好きです"とか言われるとついつい気がゆるんで、メールをあけてしまうのが原因
だという。人間の心理を巧みについたものと感心されている。
 さらに、このコンピュータ・ウィルス "I Love You"を作り変えた、自分の名前をどんどん変えて
いく、もっと強力なものが出現したそうである。
 このコンピュータ・ウィルスは、それがとりついたパソコンのデータやパソコンとしての機能を
破壊したり、パスワードを盗み出して、他のコンピュータに送信したりするという。
 ウィルスの予防や、ウィルスのとりついたパソコンの修復に、ワクチン・ソフトなるものが出回
っている。人間の体に病気を引き起こす病原菌に、同一の薬を使い続けると、その薬ではなか
なか死なない耐性菌なるものが出現する。水虫は同じ薬を使い続けると治らなくなるのがその
好例である。ワクチン・ソフトを造るとまたちがうウィルスが出回るのが常である。もちろん、誰
かがそういうプログラムを作って流すのだが、その現象は耐性菌の出現に似ている。そのため
また新しい薬、ワクチン・ソフトを造らなければならなくなる。
 さて、もしもワクチン・ソフトという名の、ウィルスを流したらどうなるか?ウィルス・バスターと
かウィルス・スキャンとかというワクチンソフトがでまわっているが、その名をつけたウィルスが
でる。世界中でだまされる人が続出するに違いない。
 サタンは光の使いに変身する。
 サタンにとっては、何百人の人が教会に集まっても、そこに集まった人が十字架の贖いによ
って救われ、罪を赦され、新生の恵みに与りさえしなければよいのだ。だからサタンは、悔改
めに替えて善行を提供し、悔改めの実に替えて、セツルメント、ボランティア、慈善を与え、讃
美に替えて「ゴスペル」なる流行歌を提供するのである。


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