「同労者」第11号(2000年8月)
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いて詩篇を学びましょう。「…あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見 ますのに、人とは何者なのでしょう。」(詩篇8:3〜4)
作者は、大空を見上げ月や星を視つめながら、その壮大さに心打たれ、ふり返って自分と人
間に目を向けた時、深い感謝をもってこの詩を作ったと思われます。神の創造された大自然、 それに比べ人間の小ささ脆さ罪深さを思い、そんな人間の一人である自分にも愛のまなざしを 向けて下さる神に、驚きと感恩をもって感謝を捧げております。
よく人は、自信を持て、誇りを持て、劣等感を持つな、前向きに積極志向を持て、と言いま
す。それは事実です。消極性や自信喪失の人には明るい希望が持てないからです。しかし半 面、人間の弱さ、罪深さを認めて謙虚になることも忘れてはなりません。山登りのベテランは 「山を侮るな、山に謙虚になれ、山の法則に従う時に山を征服できるのだ。」と言います。従う とき征服できる、この原則は人生に当てはまります。人は神の法則に従う時、勝利者になれる のです。パウロは「私が弱いときこそ私は強い。」と言いました。強がりを言う人ほど案外弱い のです。弱い犬ほどよく吠えると言われますね。
私共の近くに宮城まり子さんの障害者施設「ねむの木学園」があります。その学園のモットー
は「優しくね、優しくね。優しいことが強いのよ。」と言う標語です。
弱さを認めるには強い勇気が必要です。詩篇の作者は、広大無限の大空と神秘に輝く月と
星を視つめた時、「人間とは何者か」という原点を謙虚に考えさせられたのです。
そこから天地の創造者なる神、今も声なき声をもって語る神に心の目が開かれて行きまし
た。そしてこの神に従うことこそ被造物である自分の人生目標と悟ったのです。あなたも大自 然を通し語り掛ける神を求めてみませんか。神が肯ける時、あなたの人生観は必ず変わって きます。しあわせは山の彼方にあるのではなく、「人とは何者?」と考えるあなたの心の先にあ るのです。 |