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          「同労者」第14号(2000年11月)
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          随想 
           兄貴の学歴は高卒です。
           
          
           今、世は正に学歴社会です。就職でも結婚でも、まず学歴は?と聞かれます。
           
          
           中学から高校に進学するとき、兄貴は父親の懐具合を推し量り、俺が大学に行ったら弟は
           
          行けない、と考えました。そして、大学行きを弟に譲って、自分は高卒で就職しようと決心しまし た。就職のため自分は工業高校を選びました。その時兄貴は十五歳、弟の私は十二歳でし た。おかげで私は大学に行かせてもらいました。 
           兄貴は決して自分も大学に行きたかったとは言いませんでした。しかし、一度だけ、俺も大学
           
          にいきたかった、という気持ちを顕わしたことがありました。兄貴の級友が大学に行ったことが 話題になったときでした。もちろんその時も、自分も行きたかったとは言いませんでしたが。 
           ですから、私の学歴が上がればあがるほど、兄貴の高卒の学歴が輝いて見えます。
           
          
           それで私はクリスチャンの皆さんには、学歴でことを決めてもらいたくないと思っています。
           
          
          神のごらんになる偉さは、学歴にはよりませんから。
           
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