「同労者」第19号(2001年4月)                          目次に戻る

信仰良書

 − 神 へ の 道  (12) −
D.L.ムーディー 著   仙台聖泉キリスト教会 山田 大 訳


第2章 御国への門
「人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません。」(ヨハネ3:3)

  この聖句ほど親しまれている神の言葉は恐らく他にないでしょう。皆さんが、もし、「あなたは
イエス・キリストが新生の教理を教えたことを信じますか。」と尋ねられたならば、10人中9人は
「はい、信じます。」と答えるでしょう。

・最も重要な教えである「新生」

 さて冒頭の聖句が真実であれば、それは私達が出会う最も厳粛な問いに答えを与えます。
私達は多くのことで惑わされるでしょうが、この一つのこと「新生」に関しては別でしょう。キリス
トはこれをとてもわかりやすく教えられました。すなわちこう言われたのです。「人は、新しく生ま
れなければ、神の国を見ることはできません。」ましてや、それを継ぐことはできないのです。こ
の新生の教えはそれ故にやがて来る世界への全ての希望の基礎です。それは本当にキリスト
教のイロハなのです。
 私の経験では、人がもしこの教えにしっかりと立っていなかったなら、聖書中の他のあらゆる
基本的な教えに関してもあやふやであると思われます。この御言葉を真に理解すれば、聖書
の他の箇所でどんなに多くの難解な部分があっても、それを解決する助けとなります。以前に
はとてもわかりにくく不可解に思えた事柄も非常にやさしいものに変わります。
 また新生の教えはあらゆる偽りの宗教を――神や聖書についての全ての誤った見方を覆し
ます。私の友人がこんな話をしてくれました。ある人が、集会後彼のところへやって来て、たくさ
んの質問を書いた紙を渡してこう言ったそうです。「もしあなたがこれらの質問に納得がいくよう
に答えることが出来たら、私はクリスチャンになる決心をします。」友人は答えました。「あなた
はまず最初にキリストのところへ行った方が良いと思いませんか。そうすればそれらの質問の
答えがよくみえてくるでしょう。」その人は、確かにそうかも知れないと思いました。そして、キリ
ストを受け入れた後、もう一度あの質問リストを見てみました。するとそれは彼にとってすでに
全て答えが与えられたもののように思えました。(つづく)


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