「同労者」第24号(2001年9月)                目次に戻る

巻頭言
− 神 様 の 招 き − 
荒川聖泉キリスト教会   佐藤 務

今私は、(社)東京コンベンション・ビジターズ ビューローと言う団体で働いています。これは一
言で言えば、経済効果や都市のステータスのために、より多くの人に東京に来てもらうことを目
的として設立された団体です。
日本ではまだあまり知られていませんが、欧米の主要都市には、ほとんど必ずこうしたビュー
ロー組織があり、また、日本でも主要都市(仙台・静岡・名古屋等)には、皆ビューローが置か
れていて、それぞれの町により多くの人に来てもらうよう努力をしています。
私達東京ビューローも、この目的のために、大きく観光客(ビジターズ)と国際会議等(コンベン
ション)と言う二つの誘致部門を持っていて、私は後者に属しています。ところで、誘致に当たっ
ては、三つの原則とも言うべきものがあります。
@金持ちを狙え。− 経済効果を考えれば、資金が豊かで、より高い宿に泊まり、より高いお土
産を買ってくれるような人は、当然誘致すべき対象になります。
A有名人を狙え。− 経済効果とは別に、世界的な有名人が来ることにより、都市のステータス
が上がります。このため、私達は高名な学者が来るような国際会議を、なんとか東京で開催さ
せるよう努力します。
Bできるだけ沢山まとめて誘致せよ。−経済効果・ステータス、いずれの面からも、一度に沢
山の人に来てもらえるチャンスは、最も狙うべき対照です。そのために、私達は、より大きな観
光団体や国際会議を、誘致するよう努力します。
このように、私達は、自分やその町にとって、少しでも得になる相手を、招き入れるよう努力を
していますが、さて、神様と私達との関係はどうでしょうか?言うまでもないことですが、私達は
金持ちでも有名人でもなく、私達を招いたところで、一銭の得にもなりません。何の役にも立た
ない、むしろ招かれざる客とも言うべき私達を、神様は、全くの無償で招いて下さっているので
す。そして、最も大事なことは、神様は、私達を十把ひとからげではなく、一人一人、名前を呼
んで招いていて下さると言うことです。創造主たる神様が、塵に過ぎない私達を、個人的に招
いてくださる。これは何と言うことでしょう!人を招く立場に立つ時、改めて神様の招きの偉大さ
を実感せずにはいられません。
「わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」(マルコ2:17)


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