「同労者」第26号(2001年11月)                          目次に戻る

祈りの小部屋

− バウンズ著、「祈祷の目的」から(2) −

 私たちが祈ることのできる原動力は、自らの抱えている困難を自力では乗り越えられないと
認められることと、神はそれをおできになるし、祈りに答えて自分によくしてくださると信じられ
ることにあります。
 ある方々の祈りに答えてくださった神は、私の祈りにも答えてくださる。これが大切な信仰な
のです。「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられること
と、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。」(ヘブル
11:6)


<バウンズ、祈祷の目的、東宣社、1957、p.35 から>
 熱心と祈りとで有名な英国のメソジスト説教者ウィリアム・ブラムウェルに関して一人の曹長
が次のように語っている。「1811年7月に、私共の連隊はスペイン出征の命令を受けました。
私は愛する妻と、助け手のない四人の子供を、保護者も扶養者もないままにして外国にゆくこ
とを考えて非常に苦しみました。ブラムウェルは私どもの事情に大変同情し、私のかよわい妻
の苦衷を自分の苦痛とするように見えました。彼は私たちのために夜も昼も懇求して下さいま
した。私の妻と私とは出発の前夜、ある友の家でブラムウェル氏と共に過ごしました。その時も
彼はたえず霊的苦闘の中にあったように見えました。夕食後、彼はその手を胸から離して私の
膝の上において申しました。『ライレー兄弟よ。あなたは行きません。私はあなた方のために神
と角力をとって居りました。天の父があわれみをもって近づいて下さいましたから、彼を捉える
事が出来ました。私は容易に父を去らせません。ですからあなたは私のいうことを信用して大
丈夫です。この次あなたとお会いする時、聞くことはあなたがここに留まることです』。この事は
彼が云ったとおりになりました。そして翌日スペインゆきは変更されました。」
・・後略


神はこれらの証詞を、書物を通じて私たちが目にすることができるようになさいました。私たち
は本を買い、読むというちょとした心がけをすることによってそれらに触れることができます。そ
れは慣れた者にとって大した作業ではありません。しかし、そういうことをしたことのない人には
きっと大変おっくうなことでしょう。ですから、キリスト教書店に行かなくとも、このほんのわずか
な抜き書きを繰り返し考えてみてください。ブラムウェルという人の祈りに応えなっさったことを
あなたに知らせなさった神は、あなたの祈りにも同じように応えようとしておられるのです。
神に聞き届けて頂かなければならない信仰の課題は何ですか?それを握って、神を捉えて放
さないことを学び、その訓練に入れていただきましょう。 (文責:野澤)



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