「同労者」第26号(2001年11月)                      目次に戻る 

Q&Aルーム

 信仰生活のこと、教理上の疑問など様々なことについて、誰かに聞いてみたいことがおきてく
ると思います。教会の先生に伺うことは勿論一番ですが、それを独り占めしないで、すこし公開
してください。それを皆で考えると、きっと皆さんにとって益になると思います。
質問の送付先は巻末にあります。



 先月の質問の回答例(作成者:野澤)
 10月号の質問は
1.サタンと悪霊たちについて説明してください。
でした。
私たちがサタンと悪霊たちについて知っているか否かは、私たちの当面する課題の把握に大
きな影響を及ぼします。課題の把握を誤ると誤った対応をとり、信仰生活のあり方をまちがっ
た方向に導かれて行きます。ですからこのサタンと悪霊たちの問題をよく学ばなければなりま
せん。

(1)サタン
<サタンの存在>
「悪霊どものかしらベルゼブル」(マタイ12:24)
・サタン(悪魔)は霊(人格)であって、神に対抗する悪の霊の頭です。
<サタンの起源>
・サタンは神によって創造された被造物です。最高の天使として創造されたけれども、傲慢にな
り神に代わるものとなろうとしたため、罪に陥ったものと考えられています。それは、エゼキエ
ル書28章はサタンに対する記述であると考えられ、そこから(聖書の他の箇所も含めて)推理
されています。
<サタンの性質>
「あなたがたは自分の罪過と罪との中に死んでいた者であって、そのころは、それらの罪の中
にあってこの世の流れに従い、空中の権威を持つ支配者として今も不従順の子らの中に働い
ている霊に従って、歩んでいました。」(エペソ2:1〜2)
・サタンはすべての罪の根源です。サタンはエデンの園でアダムとエバを誘惑して神の命令に
背かせ、人類を罪に陥いらせました。神はアダムを完全なものとして創造されましたが、アダ
ムはサタンに従ったためサタンの性質すなわち罪の性質を持つものとなったのです。ですから
サタンは単に人類の罪の原因であるだけでなく、罪の性質の原因でもあるのです。
サタンは神と反対の性質の持ち主です。神は聖であるのに対しサタンは汚れ、光に対しは暗
黒、義に対し不義、柔和に対し頑な、寛容に対し狭量、慈しみに対し邪慳(じゃけん)、真実に
対し偽りと欺き、謙遜に対し傲慢・・といった性質の所有者です。
<サタンの地位>
「空中の権威を持つ支配者として今も不従順の子らの中に働いている霊」(エペソ2:2)
・サタンは全世界の支配者です。彼が天使であったとき神から世界をまかされたが、罪に陥っ
た後もその世界支配を許容されていると考えられます。荒野の誘惑のときサタンは「この国々
のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこ
れと思う人に差し上げるのです。」(ルカ4:6)と云いましたが、イエスはそれを否定されませんでし
た。
<サタンの所在>
「ある日、神の子らが主の前に来て立ったとき、サタンも来てその中にいた。」(ヨブ記1:6)
「天にいるもろもろの悪霊」(エペソ6:12)
・サタンは現在は天使と共に天にいることが許されています。
「この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地
に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。」(黙示12:9)
それゆえ、天とその中に住む者たち。喜びなさい。しかし、地と海とには、わざわいが来る。悪
魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである。」(黙示12:12)
「イエスは言われた。『わたしが見ていると、サタンが、いなずまのように天から落ちまし
た。・・』」(ルカ10:18)
・やがてサタンは、天にいることが許されなくなり、地上のみをその居所とするようになります。
イエスのことばからこれが既に起きたことのようにも受け取られますが、それははっきりしませ
ん。
<サタンの能力>
「主権、力、この暗やみの世界の支配者たち」(エペソ6:12)
・サタンはこの世の主権を握っている強大な能力の所有者です。サタンは知恵があり、狡猾で
す。例えば次の場面を考えてみましょう。
「しかし、イエスは振り向いて、ペテロに言われた。『下がれ。サタン。あなたはわたしの邪魔を
するものだ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている。』」(マタイ16:23)
サタンはペテロの善意をも用いてイエスの働きを妨害しようとした。イエスは的確に事を処理さ
れましたが、私たちはしばしば同様の手口でその働きを阻害されます。
<サタンのこの世に対する関与>
「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食
い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。」(ペテロT5:8)
「悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。」
(エペソ6:11〜12)
・ペテロのこの表現は、サタンが人間を激しい勢いをもって、罪に陥れようと働いていることを
指しています。これこそがサタンの働きの中心であって、私たちはサタンと戦わなければなりま
せん。
 罪からの救いはサタンからの救いでもあります。
私たちはサタンに従うか、イエス・キリストに従うか、いずれかを選ばなければなりません。そし
て、従った方に似たものとなります。またイエス・キリストに従わず、自分の心に従って生きるも
のはサタンに従っているのです。
<サタンの将来>
「そして、彼らを惑わした悪魔は火と硫黄との池に投げ込まれた。そこは獣も、にせ預言者もい
る所で、彼らは永遠に昼も夜も苦しみを受ける。」(黙示20:10)
・サタンはイエス・キリストの宣教のプログラムが終了すると、この第二の死に最初に陥らなけ
ればならない自分の将来を知っているが故に、必死にその妨害をしているのです。
聖書記事でも
――アタルヤがダビデの子孫を途絶えさせようとした・・(列王記U11:1)
――ハマンがユダヤ人を絶滅させようとした・・(エステル記3:6)
――イエスを幼子のうちに殺そうとした・・(マタイ2:13)
歴史上の事実でも
――イスラム教によりキリスト教を全滅させようとした・・
――ナチスドイツによりユダヤ人を全滅させようとした・・
などなど、といった出来事はサタンが神のご計画のプログラムを妨害しようとしたものです。
今も全世界にキリスト教が伝えられるのを妨げて、延命をはかっていると考えられます。その
牙城となっているのがイスラム教の世界です。インド(ヒンズー)教、仏教、日本神道(アニミズ
ム)なども決して侮ることができません。それらが、人がキリストを信じることを妨げるサタンの
手段となっています。
 直接宣教を妨害するのではありませんが、人の心にキリストの救いを受け入れさせないため
のサタンの手段となっているもう一方のことがらは、ヒューマニズム(人本主義)です。これは神
ではなく人が王となっていることを強調しているのです。


(2)悪霊たち・・来月号に載せます。



今月の質問
1.(今月回答例を載せる予定であった残りの部分)悪霊たちについて説明してください。
今回もまた、まずご自分で回答を考えてみて下さい。


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