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          「同労者」第28号(2002年1月)
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           これまで、4回(本誌の連載では9回)に渡り聖霊について聖書が教えている事を学んできま
           
          した。その内容は以下の項目についてでした。 
                    1.聖霊に関する聖書の教え
           
          
                       ・聖霊は神であられること
           
          
                       ・聖霊の業(何をなされるお方か)
           
          
                    2.聖霊とキリスト(キリストは信者の初穂)
           
          
                    3.聖霊とパウロ(パウロは信者の模範)
           
          
          今回は聖霊と教会の関係を取り上げます。
           
          
          4.聖霊と教会
           
          
           4.1 教会の成立と聖霊
           
          
           教会の成立には以下のように聖霊が関わっており、またできあがった教会は聖霊のすみか
           
          (宮)であることが示されています。 
           (1) 聖霊待望に関するイエスの命令
           
          
          「エルサレムを離れないで、わたしから聞いた父の約束を待ちなさい。…あなたがたは聖霊の
           
          バプテスマを受けるからです。…聖霊があなたがたに臨まれるとき、あなたがたは…わたしの 証人となります。」(使徒1:3〜8) 
           (2) 聖霊待望に関する弟子たちの祈り
           
          
          「彼らは…みな心を合わせ、祈りに専念していた。」(使徒1:12〜14)
           
          
           (3) 聖霊の来臨
           
          
          「五旬節の日になって、みなが一つ所に集まっていた。すると突然、天から激しい風が吹いてく
           
          るような響きが怒り、…炎のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上にとどまった。すると みなが聖霊に満たされ…」(使徒2:1〜4) 
           (4) この出来事に対するペテロの説明(説教)(使徒2:14〜33)
           
          
           その要点
           
          
           ・ヨエルの預言の成就あること
           
          
           ・イエス・キリストは復活されたこと
           
          
           ・イエスが聖霊を注がれたのであること
           
          
           (5)ペテロの説教を聞いて心を打たれた人々の扱い
           
          
          「悔改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプ
           
          テスマを受けなさい。…その日、三千人ほどが弟子に加えられた。」(使徒2:37〜42) 
           (6)聖霊を受けた弟子たちとその説教によって加えられた人々によって集団が形成された
           
          が、その人々は自らを教会と呼んだ。 
          「(アナニヤといサッピラ夫婦の事件のため)教会全体と、このことを聞いたすべての人に恐れ
           
          が生じた。」(使徒5:1〜11) 
           (7)教会は神の宮であって聖霊が住まわれる
           
          
          「…あなたがたは…神の家族なのです。…この方(キリスト)にあって、組み合わされた建物の
           
          全体が成長し、主にある聖なる宮となるのであり、…御霊のよって神の御住まいとなるので す。」(エペソ2:11〜22) 
           4.2 教会と聖霊の関係
           
          
           使徒の働き5章1〜11節の記事には、以下の事が含まれています。
           
          
          ・アナニヤという人は教会の指導者を欺いたつもりであったと思われますが、聖霊に満たされ
           
          て教会を指導する人を欺くことは「聖霊を欺くこと」であると言われています。 
          ・妻サッピラに対しては「どうして…主の御霊を試みたのですか。」と審きのことばが告げられま
           
          した。 
           聖霊は教会におられ、タルソのサウロが教会を迫害したとき、「なぜ、わたしを迫害するの
           
          か。」(使徒9:4)とイエスが言われたのと同様に、教会を迫害する者は聖霊に背く者であること が分かります。 
           聖霊はキリストの霊であられ、このような場合でも、キリストと一体です。
           
          
           教会を代表して働く者は、 "聖霊に従っている"ことが条件です。(使徒5:32)聖霊は神に従う
           
          者たちだけに宿られるのです。 
           聖霊は教会の指導者たちの祈りによって他の人々に臨まれます。そのような権威が教会の
           
          働き人に与えられます。(使徒8:14〜17、9:17、19:1〜63) 
           4.3 教会に対する聖霊の指導
           
          
           聖霊は以下のように教会を指導されました。
           
          
           (1) 教会の課題への対処――聖霊に満たされた人々を通じて――
           
          
          「御霊と知恵とにみちた…人たち…を選びなさい。…その人たちをこの仕事に当たらせること
           
          にしょう。」(使徒6:1〜6) 
           (2) 異邦人への宣教開始
           
          
          ・コルネリオとその家の人々へ(使徒10:1、10:43〜48、使徒11:18)
           
          
           (3) バルナバとサウロ(パウロ)の宣教への派遣
           
          
          「聖霊が『バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさ
           
          い。』」(使徒13:1〜3) 
           (4) パウロの宣教地への導き
           
          
          「…イエスの御霊がそれ(ビテニヤの方へ行くこと)をお許しにならなかった。…マケドニヤに出
           
          かけることにした。」(使徒16:1〜10) 
           (5) 牧会者の任命
           
          
          「聖霊は、神がご自身の血をもって買い取られた神の教会を牧させるために、あなたがたを群
           
          の監督にお立てになったのです。」(使徒20:28) 
           (6) キリストの体である教会の構成員の任命
           
          
          「神は教会の中で人々を次のように任命されました。すなわち、第一に使徒、次に預言者、次
           
          に教師、…」(コリントT12:27〜31) 
           (7) 教会の働きのための賜物を与える
           
          
          「…同一の御霊がこれらすべてのことをなさるのであって、みこころのままに、おのおのにそれ
           
          ぞれの賜物を分け与えてくださるのです。」(コリントT12:1〜20) 
          (この章つづく)
           
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