「同労者」第29号(2002年2月)                        目次に戻る

聖書の植物

− 野 の 花 (3) −

 写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可によ
り掲載。詳細はホームページ、 http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/biblicalplants.html  
または、「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。 



「私はシャロンのサフラン、谷のゆりの花。
 わが愛する者が娘たちの間にいるのは、いばらの中のゆりの花のようだ。」(雅歌2:1〜2)

「私の妹、花嫁は、閉じられた庭、閉じられた源、封じられた泉。
 あなたの産み出すものは、最上の実をみのらすざくろの園、ヘンナ樹にナルド、
ナルド、サフラン、菖蒲、肉桂に、乳香の取れるすべての木、没薬、アロエに、香料の最上のも
のすべて、庭の泉、湧き水の井戸、レバノンからの流れ。」(雅歌4:12〜15)




パンクラティウム・マリティムムPancratium maritimum
(浜辺のゆり、聖地ハマユウ)

ヒガンバナ科の花で、中に副花冠がある。地中海沿岸に沿って夏に咲く花で、花冠の直径は6
〜9cmである。
海沿いの花であるので、その地帯の記述のある所の花である可能性がある。



クロッカス(の一種)

イスラエルには数多くのクロッカスの仲間が秋に咲く。いずれも可憐な花であり、ガリレヤ、ゴラ
ン高原などにも咲き、ネゲブ砂漠にも自生している。このクロッカスはガリレヤ地方のものでは
ないが、ここに掲載した。料理や薬用に使用するサフランは現在栽培されているもので野生は
していない。


ヌサフラン(の一種)Cholchicum hierosolymitanum


エルサレムのイヌサフランというところであろう。しかし、ガリラヤ地方にも自生している。秋咲
きの可憐な花である。


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