「同労者」第31号(2002年4月)                          目次に戻る 

論  説
 ― 復活の朝の出来事を考えよう ―

 イエスは金曜日の午後に墓に葬られました(ルカ23:53、54)が、その後3日目の日曜日――そ
れはシュロの聖日の翌週の日曜日でした――マグダラのマリヤと数人の女たちは、朝早くまだ
暗いうちに墓に来ました。すると墓から石が取りのけてあるのを見ました(マタイ28:2)。そして墓を
確かめましたがイエスのからだはありませんでした(ルカ24:3)。するとそこに二人の天使がいて
彼らにこう告げました。「あなたがたは、なぜ生きている方を死人の中で捜すのですか。ここに
はおられません。よみがえられたのです。・・」(ルカ24:5、6)彼女たちは戻ってペテロとヨハネに
このことを話しました(ヨハネ20:2)。また十一弟子とその他の人たちにこのことを報告しました(ルカ
24:9)が、墓に急いで言ったのはペテロとヨハネだけでしたからこれはすこし後のことと思われ
ます。
 ペテロとヨハネは走って墓に行きました。ヨハネの方が早く墓に着きましたが、彼は墓の中に
入るのをためらって外にいました。ペテロは到着するやいなやどんどん墓の中に入ってゆきま
した。それでつられてヨハネも墓にはいりました(ヨハネ20:6)。
 ヨハネはイエスのからだに巻いてあった亜麻布(ヨハネ19:40)が置いてあり、頭に巻いてあった
布は別のところにあるのを見ました。(ヨハネ20:6、7)
「そして、見て、信じた。彼らは、イエスが死人の中からよみがえらなければならないという聖書
を、まだ理解していなかったのである。」(ヨハネ20:8、9)と記されています。彼らはイエスが語られ
たご自身の死と復活について理解していなかったのです。
 彼らはそのまままた自分たちの居場所に帰って行きましたが、マリヤは外で墓のところにた
たずんで泣いていました。そして、泣きながら、からだをかがめて墓の中をのぞき込みました。
すると二人の天使がおり彼女にこう言いました。「なぜ泣いているのですか。」彼女は言いまし
た。「だれかが私の主を取って行きました。どこに置いたのか、私にはわからないのです。」彼
女はこう言ってから、うしろを振り向きました。すると、イエスが立っておられましたが、彼女に
はイエスであることがわかりませんでした。
 しかし「マリヤ。」とイエスに呼ばれて解りました。彼女は振り向いて、ヘブル語で、「ラボニ(す
なわち、先生)。」とイエスに言いました。イエスは彼女に言われました。「わたしにすがりついて
いてはいけません。わたしはまだ父のもとに上っていないからです。わたしの兄弟たちのところ
に行って、彼らに『わたしは、わたしの父またあなたがたの父、わたしの神またあなたがたの神
のもとに上る。』と告げなさい。」 (ヨハネ20:11〜17)
 これらの記録は、裁判の証拠として法廷に提出したなら、イエスの復活に対し充分の証拠能
力を持っているものなのです。
 


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