「同労者」第31号(2002年4月)                          目次に戻る

信仰良書

 − 神 へ の 道  (24) 
D.L.ムーディー 著   仙台聖泉キリスト教会 山田 大 訳

罪に対する神の「特効薬」

 神はこの蛇に噛まれたイスラエル人のために特効薬を用意しておられました。すなわち「仰
ぎ見て生きよ」と。そしてすべての哀れな罪人のためにも永遠のいのちを備えておられるので
す。読者の皆さん、たった今この時にもあなたは仰ぎ見て救われることが出来るのです。
神は特効薬を備えてくださいました。そしてそれはすべての人に開かれているのです。問題は
非常に多くの人々がただ旗ざおを見つめているということです。旗ざおを見るのではありませ
ん。旗ざおとは教会のことです。あなたは教会を見る必要はないのです。教会は良いものです
が、あなたを救うことは出来ません。旗ざおの上をご覧なさい。十字架に磔にされたお方を、カ
ルバリを見るのです。
 罪人よ、イエスは全ての人のために死なれたということを心に留めなさい。聖職者たちを見る
必要はありません。彼らは、特効薬を、キリストを掲げるために選ばれた神の選びの器にすぎ
ません。ですから友よ、人から目を離し、教会から目を離しなさい。そしてあなたの目を世の罪
を取り除いてくださったキリストに向けなさい。そうすればその時からあなたにいのちが与えら
れるでしょう。
 感謝なことに、私たちはどうやって見るか教えてもらう必要がありません。あの少女も、この
少年も、読むことの出来ないわずか四歳の子も見ることは出来ます。一歳になるずっと前の子
も、お父さんが帰って来た時にお母さんが「ほらほら見てごらん。お父さんだよ」と言うと見るこ
とを覚えます。そしてこれが救われる道なのです。「世の罪を取り除く神の小羊」を見ることなの
です。喜んで見ようとするすべての人に、その瞬間いのちがあります。

どうやって救われるか

 「どうやって救われるか知ってたらなあ」と言う人たちがいます。ただ神の御言葉を握り、この
日この時この瞬間御子に信頼しなさい。あなたが主に信頼するなら主はあなたを救ってくださ
います。こう言う人がいるのではないでしょうか。「私は噛まれた傷の痛みをもっと感じたいので
す。自分が罪人であることなどはすべてわかっています。しかし傷の痛みを十分感じないので
す」神はあなたにそんなに感じてほしいと願っておられるのでしょうか。
 ベルファストにいた時、私の知人の医者に優れた外科医を友に持つ人がいました。彼は私に
その外科医のことを話してくれました。その医者はいつも手術をする前に患者にこう言うそうで
す。「傷口をよく見て、それから私をじっと見なさい。手術が終わるまで私から目を離してはいけ
ませんよ」それを聞いた時これは良い喩えだと思いました。罪人よ、あなたの傷口をよく見て、
それからキリストをじっと見なさい。目を離してはいけません。傷口を見るより特効薬を見るほ
うがより良いのです。あなたがどんなに哀れでみじめな罪人であるかを見なさい。それから「世
の罪を取り除く神の小羊」を見なさい。主は不敬虔な者や罪人のために死んでくださったので
す。この方を受け入れなさい。
 どうか神があなたの目を上げ、カルバリの上のお方に向けさせてくださいますように。そして
あのイスラエル人が青銅の蛇を見上げて癒されたように、どうかあなたも仰ぎ見て生きますよ
うに。
 

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