「同労者」第32号(2002年5月)
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11月21日(金)
和食党のため持ってきたもののホテルでの熱湯もなく食べる機会もなさそうだし、荷物にもな
るのでインスタントラーメン類10箱近くをへやに捨てて(置いて)来た。誰か食べ方を知って食 べてくれると良いが。8時15分キブツ出発の前(朝食の前だったか)私たちは広いキブツの庭 を通って海岸で適当なベンチを並べ礼拝を持った。司会は岡野師、証は酒井姉と山崎夫妻、 山崎兄は自作の短歌を朗詠したが見事な声だった。後で聞いたら詩吟をやっているとのこと、 流石だった。説教は後藤師、朝の人なき海岸の木陰の礼拝はひと味違う幸いなものである。
バスはマグダラ、テベリヤ(昨日のレストランの町)を経て山道に入った。カナに向かうのであ
る。朝日が雲間より差し込んで一条の光の帯をつくっている。すると河谷氏は言った「あの様な 光はヘブル語でカルネシェメシと言います。すなわち火の角と言う訳です。ヒェロニムスが聖書 を訳した時、モーセの顔がカルネシェメシとしたため、後世の人ミケランジェロはモーセの像を 作った時、モーセの頭に角をつけてしまったのです」。テベリヤはイスラエルの聖なる四つの町 の一つと言われる。後はエルサレム、ヘブロン、そしてサフェットだそうだああ。今日目指すコ ースはカナ、ナザレ、メギド、カルメル山、南下してエマオ、そして夕方にはあエルサレム入りし たいとのことである。
ガリラヤのガリは「波打つ山波」の意味だそうだ。正しく山(と言っても丘)また山、坂また坂の
連続である。先ずカナに到着。バスを道端に止めて坂道の徒歩10分、イエスの婚礼記念教会 に着く。教会前の土産物店の屋根に石がめが6個置かれてあり、カナのぶどう酒と大きな看板 が出ていたのには苦笑させられた。何処も同じ商魂である。
教会の中は婚礼に招かれたイエスの絵と祭壇前の囲いの中に大きな石がめ1個が置かれて
いた。教会への路地に小学校なのか子供たちの賑やかな歌声が聞こえてくる。
河谷氏は途中での買物をあまり喜ばない。時間が取られるのとガイドする時、全員揃わないと
困る事、そして変に高い物を買わされる心配があるためだ。カナの町を全望する丘にバスは 止まりカメラサービスの時をとってくれた。ユダヤ人は来客をもてなすことを大変喜ぶらしく彼ら の言葉に「アナタをもてなす誇りと喜びを与えて下さってありがとう」と言うのがあるそうだ。ちょ っとした河谷氏のガイドの言葉から何か深いものを教えられた感じがした。
(この日の記つづく)
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