「同労者」第32号(2002年5月)                          目次に戻る

わかふうふわかもん

 − 人 生 の 選 択  −
仙台聖泉キリスト教会 山田 行

 東北は、今年はとても早く春が訪れました。庭の木々も花をつけ、教会の植木や花たちもと
てもかわいらしく私たちを迎えてくれます。美しい季節がまたやってきました。その気持ちの良
い風と共に五月には私たち夫婦の結婚記念日が来ます。12年目に入ろうとしています。
 結婚を導かれた当時は、神学校の学びを終えて仙台教会の婦人伝道師としてご奉仕させて
頂きながら、母校である尚絅女学院中・高の寄宿舎舎監という仕事をしていました。尚絅での
仕事は、寄宿舎の生徒25人位との生活で学校から帰って来る生徒の話し相手、相談、勉強
会、夕拝のお話しなど忙しいのですが、充実した楽しい日々でした。そこには大きな責任もあっ
たので、学ぶこと教えられることが多い時でもありました。そんな2年目を迎えたある日、両親
から"結婚"の話がありました。「少し考えさせて下さい」と答え、ものすごく悩み、考えるようにな
りました。どうしても今の生活、仕事をやめたくないということと、仙台の教会、家族から離れる
不安、そして結婚の意味、どれをとっても私は自分が中心でしかない考え方でしたので、前に
出て行くことができませんでした。
 ある日母が「二人で旅行をしましょう」と京都へ行きました。ずっと母を腕を組んで美しい庭を
見たり、おいしいものを食べたり、いろいろな話をしました。母とゆっくりこんなに楽しい時、いっ
ぱい笑ってじっくり会話したのは後にも先にもこの時だけだと思うくらいです。
 その夜母は結婚について語りはじめました。「あなたは神様に真剣に祈っていますか。一人
の牧師が(当時主人は奥中山教会で御用をしていました)小さな教会で一生懸命神の為に働
いて戦っています。その神の人が共に生きて助けてくれる人が必要だと言っているのに、あな
たはこのまま彼を一人で戦いつづけさせるのですか」
 母は涙を流しました。「神様があなたに今何を願っているのか、祈りなさい」。
私は祈りつづけました。そして
「マリヤは言った『ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身
になりますように。』」(ルカ1:38)このマリヤの告白の御言葉が与えられ、こんな私を選んで下さっ
た神様に従い、私を必要としている人のところへ行く人生を選択しました。
それまでは自分が何様かのように高慢な考えでしたが、母を通して示され幸いな結婚ができた
ことを感謝しています。
 人生には大切な選択のポイントがあります。"自分で考えて決める"もちろんその通りです
が、神様に祈ることそして自分を愛してくれる親、教会の先生に"決める前に"問い続けること、
共に祈って頂くことはとても大切だと思います。
 必ず神様のご介入を求めて生き続け、選びつづけることができますように。
 


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