「同労者」第33号(2002年6月)
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巻頭言 スと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたのうちにも宿っていること を、私は確信しています。」(テモテU 1:5) 最初から身内を誉めるのもどうかと思いますが、同労者28号に書かれた母(石井はる)の証 を、天国に旅立つ時の贈り物をいただいたような気持ちで読み、大変うれしく感謝しました。 救いに至った過程がくわしく書かれてあり、親子でありながら今まで知らなかった結婚のいき さつ、信仰の戦い、そして終わりに信仰を孫に託することで締めくくってあります。 また、ここに書かれていませんが今では考えられない一カ月間毎日伝道会があったことや、 一度に65名の受洗者があったこと、最初の仙台教会の会堂は大変激しい戦いの中で建てら れたことを聞いております。 父も体が弱かったにもかかわらず、戦後の混乱の中、多くの労力と時間を生計を立てるため に注いだに違いありません。そのためかどうかは分かりませんが、振り返って考えて見ますと 親子の間で不十分なところがなかったとは言えないような気がします。 しかし今私が親の立場になった時、気付くのが遅かったことを悔やみますが、不十分なところ や手の届かなかったところを見て、それを強調したり、責めたりするのではなく、それを自分の 課題とし、前向きに建設的に信仰の継承がなされて行かなければならないと思うようになりまし た。 戦争という厳しい状況の中を生き抜いた活力の源泉は、神に対する信仰と信頼であったこと を思うとき、自分にそのような力があるだろうかと考えさせられ、そして今、親の愛の労苦の故 に神の恵みの中にあることを感謝することであります。 仙台教会では礼拝で創世記より神の摂理が語られています。ヤコブは人間的に見れば弱 い、欠点の多い人物でした。けれども神と格闘し、神の祝福を熱心に求めたことでありました。 そして12人の子供全員に信仰は受け継がれて行ったことであります。 初期の教会の純粋な信仰の原点はイエスの直弟子達やパウロにあります。それをパウロや 使徒達が書いた手紙から学ぶように、私たちの初代の教会の信仰、そして聖泉連合の創立初 期の精神を学びたいものです。 |