「同労者」第33号(2002年6月)                         目次に戻る 

旅行記

― 聖地旅行見聞記 (15) ―

森聖泉キリスト教会  牧師 秋山 光雄

聖地旅行日程    1986年11月14日〜11月25日 (13日間)
日/曜日 出発地−到着地 主な訪問・見学地
21/金 ガリラヤ・エルサレム(モーリヤホテル) カナ、ナザレ、メギド、カルメル山、エマオ、エルサレム


11月21日(金)

 (前号のつづき)私たちの次に訪ねたのはナザレである。ナザレは人口5万の町、起伏の激
しいゴミゴミした感じの町であった。ここは主の幼少時代の町、私たちはまずマリヤの泉教会を
見学した。


マリヤの泉 (ナザレの町にある)
此処では会堂の祭壇の前に泉(地底3メートル位か)があって、其処を流れる地下水が静かな
音を立てている。すこし暗くてよく見えなかったが。左側の壁面にはひしゃく杓と湧き水を蓄える
石がめがあり私たちはそこで一口その水を飲んだ。生あたたかい感じだった。其処を出てナ
ザレのシンボルである大きな受胎告知教会の前を通り(其処に入らず)主の語られた古いナザ
レの会堂(シナゴグ)を訪ねる。そこに至る細く賑やかな雑踏の路地裏が大変なもの、間口の

  
マリヤの泉教会礼拝堂          マリヤの泉教会の外観

狭い店、それも様々な店がひしめき合って並んでいる。幅3〜4メートルほどの道の真ん中は
排水路なのか、4〜50センチの溝が通っている。その時水はなく一段低い歩道の感じだった
が。肉屋、魚屋、小間物、雑貨、貴金属店、本屋、とありとあらゆる店がぎっしり詰まり人通りも
多くて前の人を見失うまいと必死で曲がり角の多い路地を歩く。とうとう途中で道を間違えて大
声で呼び戻される有様。ようやく辿り着いたナザレの会堂はひっそりと静まり返り人気もなく、
通りとは正反対の雰囲気を醸し出している。予想外に狭く小さな石造りの地下シナゴクの感
じ。イスラエルの教会を訪ねて感ずるのは入り口の狭いことだ。入ると階段を下りて地下に潜
る感じであること、そこに関係のある絵が飾ってあること、2、3の教会を除いて出入り自由(無
料)であることなどである。

ナザレの町の魚屋さん
 ナザレの会堂はルカ4:16から30に出ているもので足元の敷石はイエス時代のものである
と言われた。私たちは左右両側に腰掛け、祭壇前に河谷氏が聖書を片手に話したが後で写し
たフィルムを見ると、さながら主の教えも斯くあらんかとの雰囲気が出ていた。ナザレの肉屋の
前で河谷氏は言った「ぶどう酒は安息日に収穫したものは駄目、聖なるぶどう酒は安息日以
外の日に造ったもので一番絞りのものが用いられ、そのぶどう酒は"純潔な花嫁"と呼ばれて
神殿に捧げられたものです。肉も必ず血を抜いたものが使われる。ユダヤ人は肉食は我々か

  
ナザレの町の商店街            会堂(シナゴグ)内部


ら言わせれば"いかに不味くたべるかにあるようだ"。血を抜いた肉は不味いし、醗酵していな
いパンも不味い」と。
(この日の記 つづく)



目次に戻る     表紙に戻る