「同労者」第34号(2002年7月)
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祈りの小部屋
「彼らは、信仰によって、国々を征服し、正しいことを行い、約束のものを得、ししの口をふさ
ぎ、火の勢いを消し、剣の刃をのがれ、弱い者なのに強くされ、戦いの勇士となり、他国の陣 営を陥れました。女たちは死んだ者をよみがえらせていただきました。またほかの人たちは、 さらにすぐれたよみがえりを得るために、釈放されることを願わないで拷問をうけました。」(ヘブ ル11:33)
このみことばのとおり聖書の中には神に祈り、応えて頂いた記録に満ちています。私たちは
信仰生活の中で与えられた恵みについて証しし、お互いの益とさせて頂いています。
数回にわたって、書物として提供されている証しから、とりなしの祈りがきかれたこと、愛する
者たちの救い、お金や必要な物が届けられたこと、天候をあたえられたことなどをご紹介しまし た。今回は悪しき習慣について祈りが応えられた事例をご紹介します。
<N.G.ダンニング、サムエル・チャドウィック、日本ウェスレー出版協会、1960、p.115 から
> ・・ある学期が始まって間もない頃、普通のクリフ(学校名)の学生よりは相当年長の学生 が、校長(サムエル・チャドウィック)の書斎のドアをノックした。彼はへやに入りながら、たいへ ん遠慮勝ちに言った。
「先生、私にパイプを所有することを許して頂けませんでしょうか」と。(クリフ・カレッジにおいて
は禁煙が校則であった。)この中年の学生は続けて言った。「私はほかの学生とは違います。 私は二○年間ずっとタバコをすってきました。私は金曜日に本校の門をくぐる前に、最後の一 本をすいました。それからきょうまでタバコなしでがんばってきましたが、今はもうどうにもなりま せん。タバコなしでは死にそうです。」校長はいすにすわって、からだを半分こちらに向けて、足 の先から頭の先まで一べつして言った。「兄弟、それはほんとうかね、本当に君はタバコがす いたくて死にそうなのかね?」と。「そうです」とその学生は答えた。「それでは」と校長は、例の いすを指示しながら「そのいすに腰かけて死になさい」と言った。それから彼は、何かの悪い習 慣を身につけてしまって、もしその悪い習慣を継続しないと死ぬかも知れないほどになっている としたら、中止してそのために死ぬことが最善である、と説明した。その学生愛煙家は、最初 は床を見ていたが、次に天井を見あげ、再び床に目を落とした。「祈ろうじゃないか」と校長が 言った。そして彼らはひざまずいて祈った。校長は、この学生の生涯に御自身の栄光を現して 下さるように、と祈った。その兄弟は立ち上がった。その時、喫煙に対する熱望はもう彼から去 っていた。その後一年間、彼は、カレッジに留まって勉学したが、二度と喫煙に対する誘惑は 彼に戻ってこなかった。・・後略
これらの書物が私たちに届けられたのは、私たちに祈りをうながし、私たちも同様に答えを
与えられるためです。(文責:野澤) |