写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可によ り掲載。詳細はホームページ、 http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002tree2.htm#k2 または、「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。 探しに来たが見つからなかった。そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に 実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせて おくのか。』園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘っ て、肥やしをやってみます。 そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめな ら、切り倒してください。』」(ルカ13:6〜9) いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分 かる。(マタイ24:32、対応箇所マルコ13:28、ルカ21:29) ソロモンの在世中、ユダとイスラエルの人々は、ダンからベエル・シェバに至るまで、どこでも それぞれ自分のぶどうの木の下、いちじくの木の下で安らかに暮らした。(列王記上5:5) 万軍の主は言われる。あなたたちは互いに呼びかけて ぶどうといちじくの木陰に招き合う。 (ゼカリヤ3:10) この他にもいちじくの記載は、新約聖書、旧約聖書を通して沢山ある。 聖書に最初に出てく る植物で、アダムとエバがエデンの園の善悪の知識の木の実を取って食べた時、裸であること を知り、いちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとしたと書かれている(創世記3:6〜7)。ま たいちじくも申命記に書かれているようにイスラエルを祝福する七つの産物の一つになってい て、繁栄と平和のシンボルとなっている。原産地は西アジア、シリアの辺りと言われている。列 王記下20:7にヒゼキヤ王が死の病にかかった時、イザヤが「干したいちじくを取って来るよう に」と言うので人々がそれを取って来て患部に当てると、ヒゼキヤ王は回復したという記載があ る。これは何の病気であったかは書いてないが、多分癌ではないかということで日本でも一時 いちじく産業が起こったことがある。いちじくの中に含まれているベンズアルデヒトが癌に効くと いうのである。
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