「同労者」第44号(2003年6月)              目次に戻る      表紙に戻る

ショートコラム ねだ

 − 掴(つか) む と 握(にぎ) る  −


  今日は雲を掴むような話で皆さんを煙(けむ)に巻いてみたい。
 さて、掴むと握る、似ているがどうも違うようだ。
 手を握れば仲良しの徴、手を掴むのは敵対の徴か相手の逃亡を阻止するためだ。"二の腕
を掴む"などという。どっかに一の腕、三の腕もあるのか。
 握り飯はあるが掴み飯はない。腹を減らした男は握り飯を鷲掴み(わしづかみ)にして食べ
た・・てな表現になる。
 ご飯をにぎるとすしができるが、ご飯をつかんでもすしはできない。
 ペンは握って書き、掴んでは書かない。
 「金持ちの男を掴んで玉の輿」・・神の国ならぬこの世ではこんなこともあるかも知れない。男
は女に掴まれるものなのか。
ちょっとニュアンスが違うのかも知れないが金には両方ある。政府の金を握っているのは族議
員、議員の地元企業はぼろ儲けして大金を掴んだと。
首相の座は掴んだが、実際に権力を握っていない某首相。本当に権力を握っているのは誰
か、かつては目白の御殿に住んでいた人であったが、さすがにもう人々から忘れられた。この
人は報道陣に秘密を握られてついに首相の座を失脚した。秘密は漏れるものだ。イエス・キリ
ストはこう言われた。「おおわれているもので、現されないものはなく、隠されているもので知ら
れずに済むものはありません。」(マタイ10:26)と。
詳しくは知らないが、英語ではもっと複雑なようだ。それは握る力の程度によって表現が変わ
るらしい。ちょっと辞書を開いてみれば、英語で掴むと握るの類がいろいろ書いてある。
 握手はシェイクハンド(ズ)というらしい。手一つでは握りあうことができないから複数形か? 
しかし、シェイクは握るではなく揺り動かすとか振り回すとかいうことばに思えてならない。手を
握るだけではなく、揺り動かすのがあちらの礼儀なのか知らん。
すしを握るは、・・ご飯をボールの形に(すしの形に)プレスする・・と表現するようだ。鈑金工場
で働く皆さんには、えっ!ご飯をプレスする? と感じられるかも。しかし、おにぎりでもボール
の形ではないし、すしもボールのかたちではないし・・どうもイメージが合わない。すしはあちら
の外来語になって、すしで通じるらしいから、すし形にっというのが日本人の感覚に合ってい
る。

 溺れる者はわらをも掴む。ペテロがイエスの手を掴んだのか、イエスがペテロを掴んで下さっ
たのか、知ってますか。

 さて諸君。
 命のことばをしっかり握って・・
主に喜ばれる信仰生活をさせて頂きましょう。




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