「同労者」第46号(2003年8月)                 目次に戻る  表紙に戻る 

Q&Aルーム

 信仰生活のこと、教理上の疑問など様々なことについて、誰かに聞いてみたいことがおきてく
ると思います。教会の先生に伺うことは勿論一番ですが、それを独り占めしないで、すこし公開
してください。それを皆で考えると、きっと皆さんにとって益になると思います。
質問の送付先は巻末にあります。

 先月の質問の回答例(作成者:野澤)
 ――このコラムでは、このところしばらくイエス・キリストを取り上げています。私たちはイエ
ス・キリストに似たものとなり、キリストの心を自分の心とし、キリストが歩まれたようにこの地上
の生涯を歩むことを求められているのですから、イエスはどのようなお方であったかを学ぶこと
は、成功あるキリスト者の秘訣です。――
 R.A.トーレイの「聖書の教え」に整理されている項目を引用して、イエス・キリストの品性に
ついての説明を続けます。


<イエス・キリストの品性> ・・・つづき
 2 父なる神に対するイエス・キリストの愛
2.1 イエスの愛の事実
(1)イエス・キリストはみ父を愛された。
「しかしそのことは、わたしが父を愛しており、父の命じられたとおりに行なっていることを世が
知るためです。立ちなさい。さあ、ここから行くのです。」(ヨハネ14:31)
 イエス・キリストが、ご自身についてこの世を知ることを望まれた一つのことは、彼がみ父を
愛されたということでした。もしイエスに、そのご一生の秘訣を尋ねたならば、「わたしは父を愛
している」とお答えになるでしょう。そしてもし、私たちがそうした彼の愛がその純潔さにおいて、
その充全さにおいて、どのようなものであるか知りたいと思うならば、ただイエス・キリストご自
身を見上げさえすれば良いのです。

2.2 み父に対するイエス・キリストの愛はいかに顕わされたか。
(1)イエス・キリストがみ父に対して顕わされた愛は、彼がみ父の戒めを守られたことによって顕
わされている。
「わたしの戒めを保ち、それを守る人は、わたしを愛する人です。わたしを愛する人はわたしの
父に愛され、わたしもその人を愛し、わたし自身を彼に現わします。」(ヨハネ14:21)
「もし、あなたがたがわたしの戒めを守るなら、あなたがたはわたしの愛にとどまるのです。そ
れは、わたしがわたしの父の戒めを守って、わたしの父の愛の中にとどまっているのと同じで
す。」(ヨハネ15:10)
(註1)「わたしが天から下って来たのは、自分のこころを行なうためではなく、わたしを遣わし
た方のみこころを行なうためです。」(ヨハネ6:38)
 イエスはみ父のご命令に従うために、天の栄光を捨てて、地上の辱めを受けることを躊躇さ
れませんでした。
(註2)「キリストは人としての性質をもって現われ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架
の死にまでも従われたのです。」(ピリピ2:8)
 イエス・キリストはみ父のみ心に従うためには、死をも厭いなさいませんでした。そのとおり、
十字架の死をさえ厭いませんでした。
(比較)「それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同様です。また、わ
たしは羊のためにわたしのいのちを捨てます。わたしにはまた、この囲いに属さないほかの羊
があります。わたしはそれをも導かなければなりません。彼らはわたしの声に聞き従い、一つ
の群れ、ひとりの牧者となるのです。わたしが自分のいのちを再び得るために自分のいのちを
捨てるからこそ、父はわたしを愛してくださいます。だれも、わたしからいのちを取った者はい
ません。わたしが自分からいのちを捨てるのです。わたしには、それを捨てる権威があり、そ
れをもう一度得る権威があります。わたしはこの命令をわたしの父から受けたのです。」(ヨハネ
10:15〜18)
 イエス・キリストの死は、最高の意味において自発的でした。ですから彼の死は、深い思慮を
もって進んで行かれた決勝点ともいえるものでした。
「さて、天に上げられる日が近づいて来たころ、イエスは、エルサレムに行こうとして御顔をまっ
すぐ向けられ、・・」(ルカ10:51)
 イエスはひたすら彼が「御顔をまっすぐエルサレムに向けて」最後の旅をされた時だけでな
く、最初に人のかたちを取って世においでになった時から、彼は堅くカルバリの丘にむけて進
まれたのです。その昔ユダヤ人たちがラザロの墓の傍らに立って、涙にむせびなさるイエスを
見て「ああ、なんと彼を愛しておられたことか!」(ヨハネ11:36)と言ったことがありますが、今や私
たちは十字架の傍らに立ち血の流れる主イエスのみ姿を仰いで「ああ、なんと彼(父なる神)を
愛しておられたことか!」と叫ばないではいられません。
(この章 つづく)



今月の質問
来月もイエス・キリストの品性について説明を継続します。
説明について、疑問点がありましたらお知らせ下さい。また、これらを離れた質問も歓迎致しま
す。



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