「同労者」第47号(2003年9月)              目次に戻る      表紙に戻る

ショートコラム ねだ

 − 人 生 は ド ラ マ  −


 映画を見にいくことが最近は全くなくなったが、テレビでドラマを見ることはたくさんある。終わ
りに、こういう断り書きがつく。・・このドラマはフィクションであり、実在の人物とは全く関係あり
ません・・と。
 ここにご紹介するあらすじは、フィクションではない。だが公表したことが本人の耳に入って
も、充分時間が経過しているし、また内容も問題あるまいと思われる。私自身のこととして捉え
る以外は、教会には全く無関係な会社の出来事である。
     ・ ・ ・ ・ ・
 私が三十五歳頃のこと、私が出入りはするが私の管轄ではない職場に、気立てのよい娘さ
んがいた。年は二十台半ばなのであるが会社では女の子と呼ばれていた。会社では三十でも
四十でも女の子とよばれるが・・。
 私の部下の青年に、結婚させたいやつがいた。実直なよい青年なのであるが自分で会社の
女の子の誰かをさそったり出来ないのである。それであるとき彼女に、こう打診してみた。
「彼を紹介したいのだが・・、つき合ってみる気ない?」
彼女の答えはこうだった。
「そう言ってくれる本人がいい。他の人じゃなくて。」
それで、
「おいおい。わたしは女房持ちだよ。」
「だから困るのよ。」
といった会話がつづいた。
 間もなく彼女は会社をやめて、外国に行った。ロンドンから私に絵はがきをくれたが、住所は
書いてよこさなかった。数年後、会社に残っている彼女の友人たちから、英国からオーストラリ
ヤに移住したという噂をきいたが、もちろん私は彼女の消息を追求したりはしなかった。
    ・ ・ ・ ・ ・
 ドラマの作家は、これに"もしも・・だったら?といろいろな仮定をして、つまりフィクションであ
るから、視聴者の興味を引くように話を創るのである。
もしも私が独身だったら、・・
家内と折り合いが悪かったら、・・
彼女がしゃにむによってきたら・・
私が独身で、彼女もクリスチャンだったら、・・

 だれにも話さずそうーっとしまっておいたことであるが、私には学ぶところがあった。
 話題として面白いとかだけでなく、この話から皆さんに何を学んでいただけるだろうか?




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