写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可によ り掲載。詳細はホームページ、 http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002tree3.htm#k3 または、「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。 若者たちの中にいるわたしの恋しい人は 森の中に立つりんごの木。わたしはその木陰を慕っ て座り甘い実を口にふくみました。(雅歌2:3) ヘブライ語のタプアハtappuah(x;WPT;)をりんごとするのにはいろいろの議論があるが、アラビ ア語ではりんごのことをtuffahという。またラムセス二世の頃にナイルデルタ地帯にはリンゴが ザクロ、オリーブ,イチジクなどと共にあったことがパピルス紙で明らかになっている。りんごは 白い3〜4cm位の花が咲いた後、小さな黄緑色〜赤っぽい色の実になる。現在栽培種のりん ごはMalus pumilaで、アジア西部からヨーロッパ南東部が原産である。 このりんごに対しては、あんずとする学者もいる。あんずPrunus armeniacaであるという証拠が あるわけではないが、上記箴言の「金のりんご」という表現にはあんずの方がよいのではない かとする説もある。中国原産の植物で、中東へ聖書の頃にあったがどうかは疑問である。
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