「同労者」第48号(2003年10月)              目次に戻る      表紙に戻る

ショートコラム ねだ

 − あるある大事典症候群  −


 少し前のことであるが、テレビの番組で"普通の日本人の食生活では、特にご婦人方には鉄
が足りない。そして鉄が多く含まれている食品は・・アサリ水煮缶・・、そのものに鉄はそんなに
多くはないが、鉄の吸収を助けるよい食品は・・プルーン(乾燥果実)・・"とかと放送していた。
翌日家内の買い物に付き合って、スーパーマーケットに行ったら、普段山になっているアサリ
の缶詰が減って、ほとんどなくなっていた。私も付き合って、アサリ缶とプルーンを買い物かご
に入れた。日本中で同じことが行われているに違いない。これすなわち流行性の病気であるの
で、「あるある大事典症候群」と名づけておこう。
 この病気の特徴は、たいてい追加・積み重ね方式に使われることである。鉄のためにアサリ
缶を追加し、カルシウムのためにこれこれを追加し、たんぱく質のためにこれこれ、ビタミンの
ためにこれこれを追加し・・ということになる。結果は目に見えている。つまり食べ過ぎである。
 ついでにもうひとつ。この食品にはこれこれの成分が多いと聞くと、その食品に含まれる他の
成分が目に入らないのである。
例えば、牛乳は、――たんぱく質とカルシウムに富むよい食品――とだけ考えておられません
か。実は牛乳は、それだけで牛の赤ちゃんが、――横取りして人間の赤ちゃんが――ぐんぐん
大きくなるバランス栄養食なのであって、赤ちゃんは新陳代謝が激しくエネルギーをたくさん必
要とするので、成人にはすこし糖分が多い食品なのである。従って、食後にお茶代わりとして
牛乳を飲むと、たんぱく質とかカルシウムの補給だけでなく、食事全体を取り直していることに
なってしまう。エネルギー(カロリー)量から言うと牛乳200mlはご飯を茶碗に約1杯食べた位
だけども。
 殊にこういったことに全く無頓着であったと自認されるお母さんたち、魂からくる影響はちょっ
と脇に置くと、息子・娘の大事な体の健康は、正に食事に掛かっていると言っても過言ではあり
ませんね。もちろん運動、生活習慣それぞれが影響しますが。大事な息子・娘の健康のため
に、聖泉2003年9月号の婦人の目に小島寛子先生が書いている「栄養成分表」を学んでみ
ませんか。文部科学省の「五訂日本食品標準成分表」を直接使いこなすまでいかなくても、広く
世に浸透している香川氏の「食品80キロカロリー成分表」だったらそんなに面倒ではありませ
んよ。いつか勉強会をしてはいかがですか?

「愛する者よ。あなたが、たましいに幸いを得ているようにすべての点でも幸いを得、また健康
であるように祈ります」(ヨハネV 2)




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