「同労者」第54号(2004年4月)                目次に戻る    表紙に戻る

巻頭言
− タラントを生かす − 
仙台聖泉キリスト教会   石井 行雄

「その主人は彼に行った。『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だ
ったから、私はあなたにたくさんのものを任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。』」(マタイ25:
21)


「石井さん、3月15日までに巻頭言をお願いします。。」「ドキッ。」
二ヶ月前、係りの兄弟から声がかかりました。決して嫌ではないのですが、どこからどう書いて
よいのか見当もつかず、肩にずっしりと重荷とおっくうさがかかって来ます。ですからいつも巻
頭言に限らず、原稿は十分な時間があるにもかかわらず、書き終わるのは締め切り前日の夜
というくり返しです。けれども不思議と出来具合にかかわらず、充実感と神様の恵みをいつも
感じます。
 今回は依頼されて数日後、冒頭の聖句が頭に浮かんできました。この所はそんな私に励まし
と安心感を与え、同労者第44号の巻頭言に私が書いたマタイ20章1節の所と共に神の平等
の答えに近づくことができると思うのです。
 ここで大切なことは、2タラントの人も5タラントの人も主人から全く同じ誉め言葉をいただい
ていたことです。そして1タラントの少ない賜物を軽視し、劣等感にこだわったことに対して警告
をしていますが、聖書全体はむしろマルコ12章41節(金持ちの献金)、ルカ12章16節(金持
ちの畑)、ルカ18章18節(富める役人)にあるように、富と能力の豊かな人々の方に警告をし
ています。彼らは優越感にこだわり失敗したのです。またここでは与えられたタラントと同じだ
けの重荷とか苦難があると考えてもよいと思うのです。5タラントの人は他の人よりも多くの知
恵と労力と時間を費やしたに違いありません。ここに神の平等があるのです。私たちは表面の
タラントの量に目を留めがちですが、むしろ重荷とか苦難にどう対応したかに関心を向けるべ
きだと思います。
 この巻頭言を読んで、私もそうだと思われた兄弟姉妹、勇気を出して「同労者」に投稿されて
みてはいかがですか。信仰の輪を広げようではありませんか。神は私たちの原稿の出来具合
でなく、その勇気と努力に豊かに報いを下さいます。
 この年と言っても、もう四月ですが、今年度も共に各々与えられた馳せ場を走り抜こうではあ
りませんか。与えられたタラントにこだわったり、他人と比較してもタラントは増えないのです。
自分のタラントを用いて、ベストを尽くすなら、その働きの量や出来具合に関係なく、天国で「よ
くやった。良い忠実なしもべだ。」と言って神は皆と同じことばで私たちを天国に迎えて下さるで
しょう。ここにも神の平等があると思います。
(この原稿は締切25日前に提出しました。)




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