信仰良書
保ってくださるのは神
さて、もし神が私の右手を握っておられるとして、神は私のことが重すぎて御手を離してしま
われるでしょうか。神には私を持ち続ける力がないのでしょうか。天地をお造りになった偉大な 神は、もし私たちが信頼するならば、私たちのような哀れな罪人を支えることもお出来になりま す。信仰から堕ちることを恐れるあまり神に信頼することを躊躇するとしたら、それは丁度囚人 が刑務所に再び入ることを恐れて釈放されることを拒むような、或いは溺れている人がもう一 度水の中に落ちることを恐れて助け出されることを拒むようなものです。
多くの人は信仰生活の先を見て、最後まで信仰を守り続けるのに十分な強さを自分が持って
いないことを恐れます。彼らは「あなたの力が、あなたの生きるかぎり続くように」(申命記33: 25)という御約束を忘れています。これは時計の振り子を思い起こさせます。振り子は何千マイ ルもの長い距離を進まなくてはならないと思うとき気が重くなるでしょうが、その距離もチクタク チクタクと一歩一歩進むことによって完走することが出来ることを思い起こすとき日々の旅を行 くことに新たな勇気を得るでしょう。ですから天の父に自らを委ね、日々主に信頼することが出 来ることはキリスト者の特権なのです。主が良き御業を始められたからには必ずそれを全うな さるのだ、ということを知ることは大いなる慰めです。
(つづく)
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