写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可によ り掲載。詳細はホームページ、 http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002tree11.htm または、「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。 さて、主の御使いが来て、オフラにあるテレビンの木の下に座った。これはアビエゼルの人ヨ アシュのものであった。その子ギデオンは、ミディアン人に奪われるのを免れるため、酒ぶね の中で小麦を打っていた。(士師記6:11) 一方、サウルとイスラエルの兵も集結し、エラの谷に陣を敷き、ペリシテ軍との戦いに備えた。 (サムエル記上17:2) なお、そこに十分の一が残るが それも焼き尽くされる。切り倒されたテレビンの木、樫の木の ように。しかし、それでも切り株が残る。その切り株とは聖なる種子である。(イザヤ6:13) Pistaciaはウルシ科の植物で、樫(実はナラ)とは異なる。しかし聖書ではこの両者の混同は著 しい。エラーが人の名として出てくる創世記36:41、列王記上16:6、16:8、16:13、16:1 4、下15:30、17:1、18:1と9、歴代誌上1:52、4:15、9:8、は別として、その他の箇所 でテレビンの木となっている所は士師記6:11と19、イザヤ6:13、ホセア4:13だけである。 後の創世記35:4、サムエル下18:9、10、14、列王記上13:14、イザヤ1:30およびエゼ キエル6:13は全て樫となっている。 テレビンの木elahは、ヘブライ語のel(神)を文字の中に含み、力、強さを象徴する。ネゲブ、下 部ガリラヤ、ダンの谷などにあり、樫と同様に礼拝の場、墓地などになっている。 葉は、幾つかの小葉からなる複葉で、冬に落葉する。雌雄異株で、果実は香りのよい核果で あり、食することができる。ピスタチオはこの属の植物である。
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