「同労者」第69号(2005年7月)                            目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (10)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb2.htm#h2

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。







芸香(ヘンルーダ) ――>コヘンルーダ
 Ruta chalepensis
ミカン科ヘンルーダ属



ルカ11:42に記載されている。
芸香とかヘンルーダと訳されている植物については聖書にはこの箇所に一回のみ述べられて
いる。この聖書の植物については現在はコヘンルーダRuta chalepensisと考えられている。過
去にはヘンルーダRuta graveolensをこれに当てた人もいたが、コヘンルーダの方がもともとイ
スラエルに自生していたし、現在でも野生のコヘンルーダを見ることが出来る。コヘンルーダは
高さ30〜50cmの小さな低木で、イスラエルや地中海沿岸の原産とされている。ミカン科ヘン
ルーダ属の植物で、葉は2回羽状に細分裂し、茎のいただきに緑色のがくと4〜5枚の花弁を
もつ黄色の花をつける。直径1cm位の小さな花で、花弁は縮れている。花の後に付く果実は、
5〜8mmのカプセルで、中に黒っぽい種子がある。庭の飾りや薬の為に植えている人もあ
る。コヘンルーダはウンコウとも呼ばれる。ヘンルーダ(芸香)との違いは花弁が縮れているこ
とである。


(うん香は、日本では沈丁花(じんちょうげ、ちんちょうげ)の異名とされています。)




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