「同労者」第70号(2005年8月)                            目次に戻る

ショートコラム ねだ
− 雑学、最近流行ってますね・・ −

 一見役に立たない知識を披露するテレビ番組が流行っているようだ。今回はそんな類(たぐ
い)をひとつ提供しよう。

 蛾(が)の飛んでくるシーズンである。たんぼに誘蛾灯なぞつけようものなら、ばさばさとでっ
かい蛾が乱舞する。そして、どうも蛾はいけすかない。なぜか。蛾には恐ろしいヤツが多いか
らである。
 飛びながら、鱗粉(りんぷん)をまき散らす。 その鱗粉にふれただけで、皮膚がかぶれて腫
れ上がる・・っといった毒をもつものあり。毒蛾っちゅうのは、毛虫の時から毒があるらしい。う
っかりさわろうものなら、毛がささって腫れ上がる。
 しかし、中国人は蛾の美しさを認めた。蛾眉(がび、蛾のまゆげ)とは、世にも美しい女を顕
す表現である。・・有毒、無毒は関係なし。どっちも美しいのである。意味深だね。

 さて、
蛾(が)と蝶(ちょう)の違いは?
 羽を広げたままとまるのが蛾、羽を合わせてとまるのが蝶である。
ついでに、
トンボと蜻蛉(かげろう)の違いは?
(蜻蛉という漢字はトンボと混同されているらしいが・・「蜻蛉日記」をトンボ日記と読むひともい
るの?)
 トンボと蜻蛉の違いは、見た目には蛾と蝶の関係と同じ。飛んでいるときは識別困難、だが
「♪夕焼けこやけの赤とんぼ、とまっているよ竿の先・・」とまるとすぐ分かる。羽をひろげたまま
とまるのがトンボ、羽を合わせてとまるのが蜻蛉である。
 この蜻蛉、成虫の寿命が短く、ほんの1時間、長くても数日、というわけではかないものの例
えに使われている。英語でも a dayfly(デイフライ) なんぞと呼ばれているらしい。寿命1日の
蠅(はえ)というわけか。
おまけに、トンボ君の方はオニヤンマよろしく恐いヤツもいるので、
a doragonfly(ドラゴンフライ) ってわけ。龍蠅か。
蝶は a butterfly(バタフライ) バター蠅、バターのようなうんこをするからついた名なんですっ
て。
 蛾は a moth(モス) 。絹を生み出すヤツ、つまり蚕(かいこ)も蛾の仲間でありますぞ。


 この世のことばならトンボとカゲロウとかチョウとガを混同しても大したことはないが、聖書の
ことばは、違うものはしっかり区別して覚えて使い分けてくだされ。「罪」と「過ち」を一緒にしたり
しないように。
 
 

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