「同労者」第70号(2005年8月)                            目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (11)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb2.htm#h2

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




薄荷 ――>ウマハッカ
Mentha longifolia   シソ科ハッカ属


「忌わしいものだ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは、はっか、いのんど、クミ
ンなどの十分の一を納めているが、律法の中ではるかに重要なもの、すなわち正義もあわれ
みも誠実もおろそかにしているのです。」(マタイ23:23)(ルカ11:42参照)

聖書の薄荷にはホースミントMentha longifoliaとする意見が多い。現在イスラエルの溝、沼地、
水路にそって自生している植物である。多年生草で高さは40cm〜1mになり、小さな毛で覆
われている。花は小さな紫がかったピンク色である。古代ローマ人、ヘブライ人、ギリシャ人な
どは、ハッカを匂いつけや駆風に、また調味料として使用していた。中東ではハッカは紅茶に
いれたり、デザートに使用したり、キャンデーにも使用している。
さて、ハッカはいのんど、茴香(実際にはクミンとされる)とともに当時のユダヤ人には大切にさ
れていたもののようである。薬に、調味に、家や寺院に清涼感を与えるためなどに汎用されて
いたようである。
十分の一の献げ物についてはレビ記27:30〜、民数記18:21〜26、申命記14:22〜29
に記載されているが、これらに対して細かい取り決めがあまりにも多くなり、心よりも見せかけ
にこだわるようになっていた。



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