「同労者」第71号(2005年9月)                              目次に戻る

聖書研究
仙台聖泉キリスト教会 聖書研究会1982.10.26(予稿)補遺

 未来における救いについて(15)
仙台聖泉キリスト教会  野澤 睦雄
 
3.この世の滅亡
 イエス・キリストが実際に地上を統治され、幸福に満たされた千年が終わると、サタンはもう
一度解放され、人間を惑わし、神に敵対させます。そして多くの人間がそれに加わり、イエスの
王国と戦争します。
 その一連の内容は、次の聖書箇所によって明白です。

 「しかし千年の終わりに、サタンはその牢から解き放され、地の四方にある諸国の民、すなわ
ち、ゴグとマゴグを惑わすために出て行き、戦いのために彼らを召集する。彼らの数は海べの
砂のようである。
彼らは、地上の広い平地に上って来て、聖徒たちの陣営と愛された都とを取り囲んだ。する
と、天から火が降って来て、彼らを焼き尽くした。
そして、彼らを惑わした悪魔は火と硫黄との池に投げ込まれた。そこは獣も、にせ預言者もい
る所で、彼らは永遠に昼も夜も苦しみを受ける。
また私は、大きな白い御座と、そこに着座しておられる方を見た。地も天もその御前から逃げ
去って、あとかたもなくなった。
また私は、死んだ人々が、大きい者も、小さい者も御座の前に立っているのを見た。そして、
数々の書物が開かれた。また、別の一つの書物も開かれたが、それは、いのちの書であっ
た。死んだ人々は、これらの書物に書きしるされているところに従って、自分の行ないに応じて
さばかれた。
海はその中にいる死者を出し、死もハデスも、その中にいる死者を出した。そして人々はおの
おの自分の行ないに応じてさばかれた。
それから、死とハデスとは、火の池に投げ込まれた。これが第二の死である。
いのちの書に名のしるされていない者はみな、この火の池に投げ込まれた。」
(黙示20:7〜15)

 千年王国は、人間にとってなんと幸いなときであることでしょう。イエス・キリストが目に見える
実在の王となってくださり、直接世界を統治して下さるのです。これまで述べてきたように、人
間は自然界におけるあらゆる幸いに与り、かつ罪を犯さないでいられる、そういう時代を千年
もの長い期間にわたって享受するわけです。
 にもかかわらず、サタンが解放され、もういちど誘惑すると、人間の中の多くのものたちが、
やはり神に服従することを好まないで、
『この人に、私たちの王にはなってもらいたくありません。』(ルカ19:14)
と宣言するのです。
 「マゴグ」はヤペテの子孫(創世記10:2)ですから、この反キリストの先頭に立つのは、ヤペテ
の子孫(インド・ヨーロッパ語族)かも知れません。エゼキエル書38章から39章にかけて、この
戦争の予言が記されています。こちらでは、ヤペテの子孫であるメシェクとトガルマの大首長
「マゴグの地のゴグ」となっていて、頭(統率者)の名が「ゴグ」であると受け取られます。その他
に、ペルシャ、クシュ、ブテ、ゴメル、ベテ・トガルマの軍が加わると書かれています。
 天から火が降り、反キリストの軍を焼き尽くすことは、エゼキエル書にも記されています。こう
して滅ぼされた軍隊の数はあまりにも多いので、武器の残骸を燃やすのに7年、死体を埋葬
するのに7ヶ月かかるとされています。そして、サタンは火と硫黄の池に投げ込まれます。


 それから、現在の世界の最後の時がやってきます。
「その日には、天は大きな響きをたてて消えうせ、天の万象は焼けてくずれ去り、地と地のいろ
いろなわざは焼き尽くされます。」(ペテロU3:10)
 これらひとつひとつがどのくらいの期間がかかってなされるのかはわかりませんが、その次
に最後の審判の御座にイエスが座られます。
「また私は、大きな白い御座と、そこに着座しておられる方を見た。地も天もその御前から逃げ
去って、あとかたもなくなった。」(黙示20:11)
 御座に着かれたイエスによって、最後の審判が行われ、イエスの再臨のときつまり千年王国
のはじめに第一の復活にあずからなかった、すべての人がその行いに従って裁かれます。い
のちの書に名の記されていないものはサタンと同様の刑罰を受けることになります。その刑罰
は「第二の死」と表現されています。
(以下次号)


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