「同労者」第71号(2005年9月)                            目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (12)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb3.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




いのんど ―――>イノンド
Anethum graveolens
セリ科イノンド属



「忌わしいものだ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは、はっか、いのんど、クミ
ンなどの十分の一を納めているが、律法の中ではるかに重要なもの、すなわち正義もあわれ
みも誠実もおろそかにしているのです。」(マタイ23:23)

ヨーロッパ、地中海沿岸、イラン西部、インドなどが原産地とされる。セリ科特有の黄色い小さ
な花を複繖形花序につける。果実の長さは4〜7mmで楕円形偏平で稜を有し、香気が強く、
苦味がある。イノンドの果実は食物の香り付けに、駆風剤などに使用する。葉はピクルスの調
味、ソース、スープの香料、サラダなどに用いる。炒った種子はコーヒーの代用、種子の油は石
鹸の香り、香水などにも使用していたようである。
イノンドは精油3〜4%を含み、その主成分はcarvoneでその他limonenなども含む。精油には
駆風作用がある。イノンドは栽培されているし、そのエスケープしたものが野性化している。イノ
ンドの原種はRidolfia segetmでイスラエルに自生している。



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