「同労者」第72号(2005年10月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (13)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb9.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




とうごま ―――>トウゴマ、ヒマ
 Ricinus communis
トウダイグサ科トウゴマ属

ヨナ書 4:6〜7
「神である主は一本のとうごまを備え、それをヨナの上をおおうように生えさせ、彼の頭の上の
陰として、ヨナの不きげんを直そうとされた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。
 しかし、神は、翌日の夜明けに、一匹の虫を備えられた。虫がそのとうごまをかんだので、とう
ごまは枯れた。」

 ヨナ書の4:9、10にとうごまは出てくる。熱帯東アフリカ原産であるので、熱帯では何年も枯
れずに大きくなり人に影を与えるほどの高さになる。また成長も早いので、ヨナの記載によく当
てはまる。日本でも栽培されているが、日本の気候では一年で枯れてしまう。イスラエルには
荒れ地などに自生している。トウゴマの雄花は雌花の下にまとまってついている。果実は柔ら
かい刺に覆われている緑色であるが、赤いものもあり、園芸用にもなる。果実は3裂して中に3
個の暗褐色の班紋のある滑らかな種子が入っている。種子の胚乳には脂肪30〜50%を含
み、これを搾って精製したものがひまし油で、下剤として使用される他、化粧品原料、工業用
の潤滑油などにも利用される。


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