「同労者」第73号(2005年11月)                         目次に戻る 

JSF&OBの部屋

 −ある職人の一言〜日曜日へのこだわり−
仙台聖泉キリスト教会  石井 和幸
 
 私がステンレス材料を扱う会社に入って、2年半が経とうとしている。私は営業マンである
が、同時に、ごくたまに食品工場での現場工事を担当したりもする。 その工事の際、よく一緒
に仕事をするのが、私のお客さんであり協力業者である、S会社のAさんである。 Aさんは腕
のいい職人で、立場は親方である。工事の日程を決める前に、Aさんに言われる・・・「石井チ
ャン、おれは日曜日はとにかくはずしてほしいんだよ、それ以外の日なら一生懸命やるから
さ」・・・Aさんはクリスチャンではないし、また昔気質の気分屋でもない。お客さんに対する態度
もよく、だからお客さんからの評価も良い。ただ、日曜日に仕事を入れないことにはこだわりを
持っている。その理由は私には言わないのだが、どうやらレジャーのほうも職人で、また家族と
の大切な時間を日曜日に持っているらしい。 ・・・ともかく、日曜日は私もダメだから、ちゃんと
お客さんに言うから・・・といつもAさんに返事している。そして、日曜日は工事代を割り増しにす
る旨をお客さんに伝え、できる限り日程に組み込まないようにしている。Aさんだけじゃなく、ど
の業者も日、祝日は休みたいのだ。 
 私の会社の同僚Wさんも、休日に仕事をしないことにはこだわりをもって、そうならないよう努
力している。「上司はもう子供も大きくなったからいいけど、僕は子育て真っ最中だからね。休
日は大切なんだよ」といつもWさんは声高に言う。そんなWさんに私も「じゃあ上司がいつ休ん
でもいいような体制で、常に仕事していようね」と言ったこともある。
 日曜日は仕事せず休みたい!あたりまえでしょ・・・と言われるかもしれないが、彼らノンクリ
スチャンでさえ日曜日に対してこだわりをもっているのだから、私たちクリスチャンはもっと彼ら
以上にこだわりをもっていかないと・・・と思わされた。 私が大学時代に呼んだ本で、D.M.ロ
イドジョンズの「働くことの意味」というのがあるが、それには、聖日に仕事をするか、しなくても
済むのか、少しでも選択ができる状況にあるのなら仕事をしないことを選ぶように努めるべき
だ・・・と書いてあった。
 また、それにはどれ程日曜日の礼拝ということを自分の中で、価値を高く値積もっているか、
もし礼拝を休んだとき、自分がどういう思いを抱いているか、そのへんの営みもこれからも大
切にしていきたいと思う。
 私の教会では、10月9日〜10日に秋季キャンプの時をもった。キャンプに対する準備、キャ
ンプ期間中の、家庭をもつお父さん、お母さん方の気配り、こだわり、取り組みは、私がこれか
ら大切にしなければならない姿だと教えられた。キャンプの時間を勝ち取る事、聖別された幸
いなときとして、その価値を高く値積もった方の姿を見ることが出来、大変感謝だった。
「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。」(出エジプト19:8)

 「しかし、どうしても必要なことはわずかです。いや、一つだけです。マリヤはその良い方を選
んだのです。彼女からそれを取り上げてはいけません」(ルカ10:42)  


   

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