「同労者」第73号(2005年11月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (13)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb4.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




コエンドロ
  Coriandrum sativum
  セリ科コエンドロ属

イスラエルの家では、それをマナと名付けた。それは、コエンドロの種に似て白く、蜜の入った
ウェファースのような味がした。(出エジプト記16:31)
このコエンドロの箇所のヘブライ語はgadとなっている。天からのイスラエルの民に与えられた
マンナの味はガドゥの実のように白いとある。このガドゥをコエンドロと同定する根拠はあまりな
い。コエンドロは砂漠では育たない。また種も白くはない。大いに疑問のある植物である。しか
し民数記11章7節には「マナはコエンドロの種のようで、一見、琥珀の類のようであった。」とあ
り、コエンドロの色が琥珀のようであるとなっている。創世記30:11には固有名詞として出てく
る。
コエンドロはセリ科の一年草で、深く切れ込んだ葉があり、小さな白い花が繖形花序をなす。
果実は円形で1〜3mmでがくは痕跡のようになっている。植物全体に強い香りがあり、イスラ
エルに自生し、冬の作物の間に雑草として生えている。かつては薬味として広く使用されてい
た。葉は時にサラダ、スープ、プディング、カレー、ワインなどの香りに、実も香辛料に使用され
る。弱いが駆風作用もある。草丈30〜60cm。東南アジアでは、コエンドロの葉がスープやサ
ラダに使われている。大村博士は、コリアンダーの葉の優れた重金属除去作用を報告してい
る。


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