「同労者」第74号(2005年12月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物 (15)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb4.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




にがよもぎ ―――> Artemisia sieberi,
             Artemisia judaica
キク科ヨモギ属


ヨハネの黙示録8:10〜11の他、申命記などにもある。
あなたたちの中に、毒草や苦よもぎを生ずる根があってはならない。(申命記29:17)
その他アモス5:7、6:12、エレミア9:14、23:15、箴言5:3〜4、哀歌3:15、19(共に苦
汁)などにも記載がある。聖書の苦よもぎはArtemisia sieberi(Artemisia herba-albaと以前は呼
ばれていた)と考えられている。高さ40cm位の小低木で、茎の部分で沢山枝分かれしてい
る。苦味が強く、苦味成分を含む。灰色がかった毛のある深く切れ込んでいる葉は雨季の終
わりに葉を落とし、鱗状の夏葉に生え変わる。秋に小さな花が咲き、香りがよい。シナイやネゲ
ブのベドゥインは苦よもぎでお茶を作ったり、腸内寄生虫の駆除に使用されている。
イスラエルの南部およびシナイ半島にはArtemisia judaicaも自生している。これも春に黄色の
芳香ある花を咲かせる多年草で聖書のレピデム(現在のフェーランオアシス)の辺りに群生し
ている。いずれもハーブティーとして親しまれている。


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