「同労者」第75号(2006年1月)
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ルターの宗教改革の時、カトリック教会との最大の争点となった事項が、「聖書神権」、「信仰
義認」、「万人祭司」の三項目であったということから、私たちは「万人祭司」ということばを知っ ています。
旧約時代には世襲制の祭司が立てられて、神と人との仲立ちをしました。新約の時代には、
教会の任命した祭司がその職務を果たすのではなく、キリストによって救われたすべてのクリ スチャンが祭司、つまり「万人祭司」の制度に、神がそれを変更なさいました。
旧約時代には「祭司」だけでなく「預言者」、「王」という重要な職務がありましたが、もし祭司
職が新約の時代には「万人祭司」になったのであるなら、「預言者」、「王」の職務は新約の時 代にはどうなったのであろうかという疑問が湧いてこないでしょうか。
聖書を研究してみると、これら三つの職務はすべての救われたクリスチャンに帰すべきもの
であることが分かります。本研究では、祭司職に加えて、預言者、王も万人に帰すべきもので あること、また、それらがどのような内容を含んでいるかを考察します。
万人祭司とはどういうことについても、神学書に記されている内容を読んでみると、いまひと
つ要を得ているものが少ないと感じます。それらは、単にカトリックの主張する祭司職は万人に 帰すべきものであることだけが述べられていたり、クリスチャンであること自体の内容を、万人 祭司の内容であると述べていたりしています。
ですから、この研究において万人祭司とはどういうことを意味するか自体をも、もう少し掘り
下げたいと思います。
さらに新約時代には、教会に牧師(監督、伝道者、宣教師などを含む)という職務ができまし
た。これらは、上記の旧約の三つの職務と関係があるのでしょうか。またそれはどのようなも のと理解すべきでしょうか。それも一緒に考察します。
短い聖書研究になるかも知れませんが、おおよそ以下の流れで、考察を展開します。
1.はじめに
2.旧約における三つの職務の考察
2.1 祭司
2.2 預言者
2.3 王
3.新約における三つの職務の考察
3.1 万人祭司
3.2 万人預言者
3.3 万人王
4.新約における牧師職に関する考察
5.おわりに
(以下次号)
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