「同労者」第76号(2006年2月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物・薬草・野草から (17)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
           http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb11.htm

又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。


(写真撮影者が別の方であるため掲載できませんので、写真に興味のある方は、今回は上記
の本を参照してください。上記アドレスのホームページにも美しい写真が掲載されています。)



恋なすび、マンドレーク
Mandragora autumnalis
ナス科Mandragora属


小麦の刈り入れのころ、ルベンは野原で恋なすびを見つけ、母レアのところへ持って来た。ラ
ケルがレアに、「あなたの子供が取って来た恋なすびをわたしに分けてください」と言うと、レア
は言った。「あなたは、わたしの夫を取っただけでは気が済まず、わたしの息子の恋なすびま
で取ろうとするのですか。」「それでは、あなたの子供の恋なすびの代わりに、今夜あの人があ
なたと床を共にするようにしましょう」とラケルは答えた。 夕方になり、ヤコブが野原から帰って
来ると、レアは出迎えて言った。「あなたはわたしのところに来なければなりません。わたしは、
息子の恋なすびであなたを雇ったのですから。」その夜、ヤコブはレアと寝た。(創世記30:14
〜16)
地中海一帯に野生するナス科の茎のない、多年草で、卵形から長楕円形の縮れた大きな根
生葉がロゼット状に生える。冬から早春にかけてブルーのベル状の花を花茎の上につける。
梅の実大の実は春に実り、時には初夏まで野原にある。現地の人は青い時には毒性が強くて
食べられないが、黄色く熟すと良い香りを放ち美味しくなると言っていた。しかし麻酔性と下す
作用があると言われている。彼らは根の毒性を知っていて、抜く時には犬に紐をつけて引っ張
らせると言っていた。

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