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          「同労者」第77号(2006年3月)
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           祭司職と呼んでいますが、この聖書研究では祭司を助けるレビ人の働きも一緒に取り扱うこ
           
          とにします。 
           この章の前書きに書きましたように、ノアやアブラハムなどのような族長たちも祭司の職務を
           
          つとめていました。しかし、それがどのようなものか明らかにされたのは、出エジプトしたイスラ エルに、モーセの律法が与えられ、アロンが祭司に任命されたときです。 
           祭司の職務の中心は、神に贖罪の犠牲を捧げる儀式を通して神と人との仲立ちをすること
           
          でした。その内容に関連する事項が聖書に記述されている順序がありますが、その順序に意 味があるように思われます。 
          ・十戒とそれに付随する律法が与えられた
           
          
          ・幕屋の建設がなされた
           
          
          ・大祭司の衣装がつくられた
           
          
          ・祭司が任命され、任職の儀式がなされた
           
          
          ・犠牲と穀物の供え物を献げた
           
          
          これらは、出エジプト記に記されていて、神の民となるための入り口であると考えられます。「あ
           
          なたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。」(出エジプト記19:6) 
           次にレビ記の規定が記されています。その中心思想は「わたし(主)の聖なるもの」(レビ20:26)
           
          であって、カナンの地に定住したイスラエルがどのようにすれば神に近づき「主の聖なるもの」 聖なる民として生きることができるかが記されています。 
           さて、まず「十戒」が与えられました。これは石の板に刻まれて「契約の箱」の中に納められた
           
          ことが示しているように、律法の中心であって、律法全体を象徴しているものと思われます。 
          「それから神はこれらのことばを、ことごとく告げて仰せられた。『わたしは、あなたをエジプトの
           
          国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。あなたには、わたしのほかに、ほかの 神々があってはならない。・・』」(出エジプト20:1〜17) 
          「こうして主は、シナイ山でモーセと語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち、神の指で
           
          書かれた石の板をモーセに授けられた。」(出エジプト記31:18) 
           まず律法が与えられた理由はなんでしょうか?
           
          
          「・・すべての口がふさがれて、全世界が神のさばきに服するためです。・・律法によっては、か
           
          えって罪の意識が生じるのです。」(ローマ3:19〜20) 
          それは罪の意識を生じさせるためでした。人間は神の前に罪のあるものであって、それを除か
           
          ないならば、神に近づくことができないからです。(以下次号)  |