「同労者」第77号(2006年3月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物・薬草・野草から (18)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
           http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb4.htm#h41
 又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。






ドクニンジン    Conium maculatum    セリ科ドクニンジン属


苦汁と欠乏の中で 貧しくさすらったときのことを(哀歌3:19)
彼らのぶどうの木は、ソドムのぶどうの木で ゴモラの畑で育ったもの。そのぶどうは毒ぶどう
その房は苦い。そのぶどう酒は、蛇の毒 コブラの猛毒。
(申命記32:32)
ヘブライ語のroshに対して哀歌では欠乏と訳しているが、申命記では毒としている。毒のある
植物としてはドクニンジン、ニガヨモギ、ヒヨスなどが有名である。ドクニンジンの毒は果実に多
く含まれている。ドクニンジンはセリ科の植物でセリ科独特の白い複繖形花序の花をつける。
一年草または多年草の1m位の植物で春に花が咲き、家の近くや荒れ地に自生する。果実は
球形で3.5mm、熟すと2分果に分かれる。コニインなどの毒成分を含み、傷つけると不愉快な
臭いがする。未熟果実の浸出液を古代ギリシャでは処刑に使用した。一説によればソクラテス
が飲んだ毒もこれであるとされている。


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