「同労者」第78号(2006年4月)
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今回は2006年3月に発足したばかりの「子供部門」を紹介させていただきます。
この部門は三浦綾子さんが子供達をとても愛されたという所にその原点があります。小学校
の先生をしておられた経歴を持つ綾子さんの文学には、いつでも子供達への暖かい愛のまな ざしを感じさせられます。
綾子さんの最後の長編小説「銃口」には次のような文章があります。
「そしてねえ竜太さん、校長はこうも言っ たんですって。弁当の時間になって、生徒たちが喜
んで親と一緒にお寿司をつまんでいる時、たった一人で、校舎の陰でにぎり飯を淋しく食べて いる生徒のいることを、君たちは知っているのか。たった一人の生徒にでも、そんな淋しい思 いをさせてはならない。たった一人の親でも、悲しませてはならない。それがおれの教育だっ て、校長は泣いたんですって・・・」
この箇所を口述筆記する様子はNHKの特別番組で拝見したことがあったのですが、綾子さ
んはじっと目をつぶって、涙を流しながら語っておられました。貧しい家庭に育った子供とその 両親に対する綾子さんの心が引き裂かれんばかりの愛を痛感させられた1コマでした。
綾子さんは結婚した後から毎年子供クリスマスを家庭を開放して行って来ましたが、これも子
供達を愛され、その子供達に神様の愛を伝えたいという思いから続けて来られたようです。こ のクリスマスは綾子さんが召された後も継続してなされており、昨年12月には私も初めて参加 させていただきました。
第1部は三浦光世さんによるクリスマスメッセージとお祈り、第2部は様々なゲストによる余興
(楽器演奏、手品、落語、じゃんけん大会など多彩な内容)、第3部はサンタクロース(実は、光 世さん)からのクリスマスプレゼント贈呈(中味の詳細はわかりませんが、子供達が持てない程 の量でした)という構成で、100名を超える子供達はまさに大喜びで会場である三浦家を後に しておりました。
読書会の子供部門は、三浦家のクリスマスのような子供向けの集会を行う計画もあります
が、それと共にそのための奉仕者作りと、両親向けの子育ての学び会を行っていきたいと願っ ています。この3月に行われた最初の集会では、子供部門コーディネーターである正田眞次先 生(元旭川めぐみキリスト教会牧師、「学座・とうごまの葉の下」代表)から、「聴く力を養う教育」 と「絵本の読み聞かせ」についてのセミナーを行っていただきました。
この日本に主にある幸いな家庭が満ち溢れるために、この部門の働きがその一助となること
を願いつつ、主の導きに従ってさらに前進していきたいと思います。
リンク:三浦綾子読書会 http://miura-ayako.com
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