「同労者」第78号(2006年4月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物・薬草・野草から (19)

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
           http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb10.htm#h10
 又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。




コロシントウリ Citrullus colocynthis
ウリ科スイカ属


彼らの一人が野に草を摘みに出て行き、野生のつる草を見つけ、そこから野生のうりを上着
いっぱいに集めて帰って来た。彼らはそれが何であるかを知らなかったので、刻んで煮物の鍋
に入れ、 人々に食べさせようとよそった。だが、その煮物を口にしたとき、人々は叫んで、「神
の人よ、鍋には死の毒が入っています」と言った。彼らはそれを食べることができなかった。
(列王記下 4:39〜40)
このコロシントウリはイスラエルの海岸南部、ヨルダン渓谷、シナイ半島、ネゲブなどに自生し
ている。フルーツは猛毒である。このシナイやネゲブのベドゥインはコロシントウリの皮を剥い
て薬用にしている。種は食べることができる。
多年草で実はりんご位の大きさで熟すと黄色になる。中はスポンジ様になっている。これはス
イカの原種となっているが、コロシントウリ自身は毒であるが、少量を峻下剤に使用している。
コロシントウリは、とても長い根を地中深く伸ばして水脈にまで到達させるので、砂漠の中でも
育つ。コロシントウリが進化して野生のスイカとなり、それが栽培種のスイカとなった。


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