「同労者」第79号(2006年5月)
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今回は、前回ご紹介した「子供部門」と同じく2006年3月に発足したばかりの「平和部門」を
ご紹介させていただきます。この部門は、三浦綾子さんが敗戦という体験を通して深く教えられ た「平和」について学んでいくことを目的としていますが、以下に綾子さんの「平和」に関する言 葉をいくつか掲載しておきます。
「戦争の恐ろしさは数々ある。その中で最も恐ろしいのは、人間が人間性を失うことだと私は
思う。人間に生まれて来た以上、私たちは人間として生き、人間として死んで行く権利がある。 そしてそれは義務でもある。私には殺すという行動が、真の人間の執るべき行動とはどうして も思えない。いかなる理由があろうとも、人は人を殺してはならない。この一線を守らぬ限り、 人間の生活は獣の生活に堕ちてしまう。私たちは人を殺すために生まれて来たのでもなく、殺 されるために生まれて来たのでもない。私たちは愛し合うために生まれて来たのだ。」(わが青 春に出会った本)
「人間はしばしば妙なものを進歩であると錯覚する。大量殺戮の兵器を造ることさえ最大の進
歩であるかのごとく錯覚する。戦いの最も進歩した形は戦わないということだ。人間同士が兵 器によって殺し合うことなく、言葉によって話し合うことだ。それが戦いの最も進歩した姿だ。」 (北国日記)
「確かだね。俺もそう思うよ。韓国に行って、俺でさえ、何となくシュンとして帰って来たものな。
愛国心というものは、自分の国が大きくなればいいとか、金持ちになればいいといったもんじゃ ないな」「そうよねえ。国を構成する単位は、個人ですものね。要するにその個人が人間ら しく 生きていける、これが一番大事なことでしょう?」「夕起子、俺のいない間に偉くなったね」寛が 寝ている夕起子を横目で見た。「からかわないで。わたしね、愛国心ってほんとにどんなことか しらって、まじめに考えてるのよ。少しぐらい貧しくてもね、これが日本人よ、これが日本の国よ って子どもたちに言える国になってほしいの。どこの国をも侵略しない、人の命を奪わない、そ んな国になってほしいの。おかしいかしら」(青い棘)
3月の初めての集会では、正田眞次先生(元旭川めぐみキリスト教会牧師、「学座・とうごま
の葉の下」代表)から「平和つくりの歩み」というメッセージをいただきましたが、今後も引き続 き「平和」についての学びを深めて行く予定です。
リンク:三浦綾子読書会 http://miura-ayako.com
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