「同労者」第80号(2006年6月)                          目次に戻る 

論  説

 − ペンテコステ 

「わたしがこれらのことをあなたがたに話したために、あなたがたの心は悲しみでいっぱいにな
っています。しかし、わたしは真実を言います。わたしが去って行くことは、あなたがたにとって
益なのです。それは、もしわたしが去って行かなければ、助け主があなたがたのところに来な
いからです。しかし、もし行けば、わたしは助け主をあなたがたのところに遣わします。」(ヨハネ
16:6〜7)
「五旬節の日になって、・・みなが聖霊に満たされ、・・」(使途2:1〜4)


 今年は6月4日(日)がペンテコステにあたります。その出来事を単純に振り返って見ることも
益になることと思います。
 使途の働きの最初の部分に、イエス・キリストが天に帰られて、聖霊がおいでになった記事
が書かれています。これは、イエスの弟子たちに助け主を与えるという約束の成就でした。
 まずなさったことは、「イエスは苦しみを受けた後、四十日の間、彼らに現われて、神の国の
ことを語り、数多くの確かな証拠をもって、ご自分が生きていることを使徒たちに示された。」
(使途1:3)ことでした。
そして、助け主のおいでを待つことを命じられました。「エルサレムを離れないで、わたしから聞
いた父の約束を待ちなさい。ヨハネは水でバプテスマを授けたが、もう間もなく、あなたがたは
聖霊のバプテスマを受けるからです。」(使途1:4〜5)
 弟子たちが、それがイスラエルの再興の時ですかと尋ねましたら、それは父の権威のもとに
あります、と言われ、聖霊の派遣される目的は別であることを示されました。
「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサ
レム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります。」(使途1:8)
 それは、弟子たちが聖霊に満たされることによって「力を受けること」、そしてその力は、「イエ
スの証人」としての役割を果たす使命のためのものであることです。
 彼らはイエスのご命令に従って、助け主のおいでを待ちました。「彼らは町(エルサレム)には
いると、泊まっている屋上の間に上がった。・・みな心を合わせ、祈りに専念していた。」この祈
りに加わった人は、120人ほどであったことが記されています。
 そして、五旬節の日にとうとうそのお約束が成就しました。
 ユダヤ人を恐れて、ひっそりと戸を閉じた部屋にいたり、漁に出かけてしまったりした弟子た
ちは、力あるイエス・キリストの証人に変貌しました。イエス・キリストの言われた通り、それは
彼らにとって益でありました。
 私たちもその助け主を、ペンテコステの日に弟子たちが与えられたと同様に、豊かに与えて
頂こうではありませんか。
  

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