「同労者」第80号(2006年6月)
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写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
より掲載。詳細は同氏のホームページ
又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。
(雅歌1:14) (新改訳聖書では・・私の愛する方は、私にとっては、エン・ゲディのぶどう畑にあるヘンナ樹の 花ぶさのようです。・・となっています。) ほとりには、みごとな実を結ぶざくろの森 ナルドやコフェルの花房(雅歌4:13) (あなたの産み出すものは、最上の実をみのらすざくろの園、ヘンナ樹にナルド、) 恋しい人よ、来てください。野に出ましょう コフェルの花房のもとで夜を過ごしましょう。(雅歌 7:11) (さあ、私の愛する方よ。野に出て行って、ヘンナ樹の花の中で夜を過ごしましょう。) koferとして植物を指しているのは上記の雅歌の三個所である。このkoferに対してZoharyはア ラビア語、アッカド語などから類推し、言語学的にヘンナであるとしている。ヘンナはシコウカと も呼ばれ、北アフリカからインドにまで広く分布している低木である。色素として利用するため にかなり早期から栽培されている。エジプト人はヘンナで染めた布をミイラを包むのに使用し た。葉を乾燥して粉末にしたものを水に溶いて体を染めるのに使用したり、布を染めるのに使 用した。花を蒸留して得られた精油は香りがあり、香水になる。イスラエルでも海岸沿いの平 野やエリコやヨルダン川沿いの地域に見られる。春に白い香りの良い花が咲く。 |