「同労者」第85号(2006年11月)
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今月も変わらず義母の定期健診のため病院に行って来ました。先月の血液検査の結果など
を教えてもらい、数値も持病の腎臓以外はとてもよかったので、一安心しました。毎月お世話 になっているお医者さんは、私の顔を見るたびに、「絶対に、おばあちゃんを転ばせて骨を折っ たり怪我をさせたりしないように、十分気をつけなさいね!」とおっしゃいます。「はい!」と返事 はするのですが、年がら年中一緒に居るわけではないので、そんな事言われても・・・と、私の 不安そうな表情を見てお医者さんは、「はやく、はやく、とか、まだですか?とか、言っちゃ駄目 と言ってるんだよ。」と付け加えるのです。「言わないように、気をつけます。」と答えると、「言葉 に出さないのも必要だけれど、態度にも気をつけなさい。」と、このお医者さんは、私をかなり の鬼嫁と思っている感じです(笑)。そう見えているのでしょうか(汗)?
私もお嫁に来て15年あまりが経ちました。主人の両親と共に生活が始まり、私たちに子供
が生まれて、3世代での生活で、つくづく感じることは、時間の速さが、それぞれ違うということ です。これは具体的に目に見えたりするものではないので、それぞれが、お互いの速さをきち んと理解して、必要とする大切な時間をどのように用いるかをお互いに尊重していないと大変 なことになります。私たちはどんどん仕事をこなしていかなくてはいけないので、朝から晩まで ばたばたしています。しかし、両親は二人とも身体が不自由なため、身体の調子や、それこそ 転ばないようにとか、慎重にゆっくり、生活しているのです(義父はすでに天に召されました が・・・)。私たちが、「早くしてください。」と言うのではなく、そこで待つ、合わせるという行為が、 とても重要になります。お嫁に来て、はじめはなかなか待つことに慣れないものでした。しかし 共に生活をしながら、義母も私たちに合わせて、早め、早めに準備をしてくれるようになり、私 たちも待つということが自然にできるようになりました。幸い子供たちは生まれた時からこの生 活なので、待つことが自然に身についているようです。
神は日々の生活の中から、隣人と生きることの大切さや、時には困難を覚えても、そこを乗
り越える知恵を与えてくださり、いやいやではなく、お互いを大切に思いやるという心もともに育 ててくださっていることを感謝しています。
義母は私に病院へ行く度に「動作が遅いから迷惑をかけて悪いね」と言ってくれるのですが、
私はその度に「誰でもみんな歳をとって、順番に誰かに助けてもらって生きるのですから、心配 しないで下さい。」と言います。そして「私も必ずこうやって誰かに待ってもらいますから」と。
病院の帰りには、義母と買い物をして帰ります。いろいろなお菓子やおかずを買ってくれま
す。私はそれがとっても嬉しいのです(笑)。 |