「同労者」第90号(2007年4月)                          目次に戻る

聖書の植物

− 香料植物から

  写真と斜体の解説文は、廣部千恵子氏のホームページ「聖書の植物」から同氏の許可に
  より掲載。詳細は同氏のホームページ
http://www2.seisen-u.ac.jp/~hirobe/2002herb6.htm#h61
 又は「新聖書植物図鑑」(廣部千恵子著、横山匡写真、教文館発行)をご覧下さい。



樹脂、香料 ―――>
トラガカントゴムノキ
Astragalus gummifer, Astragalus spp.(photo.O.Fragman)
マメ科ゲンゲ属植物からのガム


創世記37:25、創世記43:11に、 nekhothというヘブライ語がある種の香料として使用され
ている。新共同訳では樹脂となっているところで、口語訳は香料、新改訳は樹膠と訳されてい
る。
これに対して中東に産する幾つかの棘のある低木のAstragalusの根から出る樹脂を乾かした
ものであるとの説をZohary等はだしている。根拠はトラガカントゴムのアラビア語がnakaa,
nakaathなどであるというところからである。本植物はシナイ山からレバノンの山に至るまでの1
200m〜2100m位の所に自生するAstragalus gummiferなどから得られる。これらの根を地
下数センチメートルの所で切ると、その傷からガムが析出してくる。それを集めるのだが、自生
しているものから集めるし、その植物が点在しているので、この労力は大変である。中東のこ
の地区には30以上に及ぶAstragalusがあるが、そのうちガムを出すものはAstragalus
gummiferやAstragalus bethlehemicusなどである。
樹脂にbosemというヘブライ語をあてているところにたいして、ゾハリーは南西アラビアやソマリ
ア原産のギリアデモツヤクCommiphora gileadensisをあてている。。


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