JSFandOBの部屋
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〜 バイブルクラスの証し 〜
大串 倫佳
「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。それは、神の人が、すべて
の良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです。」(Uテモテ 3:16-17)
2016年4月から、私たち夫婦は教会で聖書の学び会を始めました。私たちが通っている教会は、セル(数人のスモ
ールグループ)を大切にしているので、教会全体での定期的なバイブルスタディのような場がなかったからです。上記の
聖句と「学んだ一人ひとりが、この御言葉のとおり整えられて、内側からの力によって、遣わされたところで良い働きが
できるようになっていく、という実が見られたら感謝です」という願いをもって、学び会のことを牧師に相談したところ、許
可をいただくことができました。そこで、日曜日の午後、お試しで月1回の4回シリーズを始めました。「聖書に興味があ
る方ならどなたでもどうぞ」というスタンスで、リラックスして参加できるように、コーヒーやお菓子、テーブルクロスを用意
して、カフェっぽい雰囲気を作りました。テーマは救済論にしました。『聖書が教える救いとは』というタイトルで、人は何
を信じて救われるのか、信じたらどうなるのか、将来何が起こるのか(義認・聖化・栄化)について学びました。
私たちは、某宣教団体で聖書の学びをしているので、そのリソースを使いました。レジュメはあらかじめ印刷して持って
行き、参加された方々と一緒にメッセージを聴いて、分かち合いをしました。心に留まる箇所は人それぞれですし、バプ
テスマを受けたばかりの方やノンクリスチャンの方が本質的な質問をされることも多く、ただ受け身で聞いたり学んだり
するよりも、ディスカッションに深みが出て、とてもおもしろい学びとなりました。
さて、7月で区切りがつき、これからどうしようかと夫婦で考えていたところ、牧師から思わぬ提案をいただきました。
それは「リソースを丸ごと使うのではなく、大串夫妻が予習をして教えるというやり方はどうか」というものです。それには
いくつかの理由があるのですが、特に「デジタルリソースを用いることはミニストリーを始めやすい利点はあるが、夫妻
に与えられている教える賜物が伸ばされることを阻むかも知れない」「ミニストリーからリーダーが成長していくほうが素
晴らしい実となるから、ふたりにとっていいチャレンジではないかと思う」と励ましてくださいました。
牧師にそのように言っていただき、ありがたく思う反面、戸惑いました。平日、仕事や通信の学びをしながら、月に1
回、言ってみればメッセージをするようなもの。今でさえいっぱいいっぱいなのに、そんなことできるのか…?何人かの
信頼する先輩や先生に相談すると、みな一様に、ぜひやってみなさいとの回答。さらに、神様からもストップがかかって
いるようには感じません。その時の私たちの心境は「誰も止めてくれない…(汗)」。祈りつつ出した答えは、とにかくやっ
てみよう、でした。
交互にメッセージをする案もありましたが、ふたりで相談して、主人はメッセージ、私はレジュメ作成や茶菓の準備、と
役割分担をしました。主人は「教えることは楽しいし好き」という思いがあり、私は裏方のほうが好きなので、それぞれ
の賜物を活かそうと思ったからです。
8月から12月の5回シリーズで、タイトルは『聖書が教えるクリスマス』。福音書に記されているクリスマスの記事を、
マリヤ、ヨセフ、イエス、羊飼い、東方の博士たちにそれぞれ焦点をあてて、丁寧に読んでいく講解メッセージにしまし
た。
主人は、通勤の車内でリソースとなるメッセージを繰り返し聴き、約1時間分、自分なりに話す内容をまとめます(まず
は真似から、ということで、ほぼそのまま話したようですが、回を重ねるにつれ、彼の色が出てきました)。私は、リソー
スのレジュメを打ち直し、主人が話す予定の内容に合わせて少し編集して、印刷。その他、必要な資料を用意したり、
茶菓の準備をしたりしました。
祈りつつ、手探りの5ヶ月間でした。正直、とても大変な5か月間でした。どうしても準備が直前になってしまい、イライ
ラ・ピリピリしながら当日を迎えることが多かったですし、心身の不調が続きました(今、少しずつ立て直し中です)。参
加者も次第に少なくなっていきました。一番喜んで参加してくださっていた方々が、諸事情でこの先参加できなくなると
わかった時は、ショックでした。学び会の準備のために、昼食後の団欒を中断させてしまう時は、申し訳なさを感じまし
た。やっている意味あるのかな?そんな思いに捕らわれて、ふたりで落ち込んだこともありました。
ですが、全部終わって振り返ってみると、学びを提供する側だった私たちが一番恵みを受けたと思います。印象に残
っている出来事をいくつかお分かちしたいと思います。
ひとつ目は、参加者について。人数が減り、「今日は来てくれる人はいるだろうか…」と不安に思いながら準備をして
いたら、求道者のお子さんがお菓子につられて席に座り、「ママ!ここ座って!」と学び会に母親を導いてくれた(笑)こ
とがありました。12月は、開始時刻の直前まで参加者がゼロで、最終回なのに残念だけど中止しようかと思っていたと
ころ、あるセルグループが「これからセルをやる予定だったけど、みんなで学び会に参加します」と言ってくださり、あと
から求道者の方も来てくださり、充実した学びの時間を過ごすことができました。毎回違う4〜5人との分かち合いは、
濃く、新鮮でした。神様が、毎回、必要な方を送ってくださったのだと思います。このことを通して、思い煩わずに神様に
委ねることを実体験しました。
ふたつ目は、家庭での日曜礼拝について。私たちは、月に1度、自宅で礼拝を捧げています。普段は、教会の礼拝を
インターネット経由で視聴しているのですが、この時期は、主人が学び会の内容を話しました。日曜礼拝に来てくださっ
ているのは、某宣教団体での学びの先輩にもあたる方々なので、忌憚なく意見なども言ってくださり、それを学び会にフ
ィードバックすることができました。
みっつ目は、クリスマスについて。ストーリーとしては良く知っているクリスマスを、更に掘り下げて学ぶことにより、参
加してくださった方もそうだと思いますが、何より私たち自身が、クリスマスの本当の意味をより深く知ることができまし
た。
このような機会を与えてくださり背中を押してくださった牧師と、神様に、感謝しています。私たち夫婦主体での学び会
は、一旦終了です。今後、学び会を続けるのか、続けないのか。やるとしたらどんな風にやるのか。今は、祈り、神様
が私たちに語ってくださることを聴く期間だと思っています。どのような道に導かれたとしても、神様が与えてくださって
いる賜物を用いて、教会に、神の家族に、仕えていくことができればと思います。(恵泉キリスト教会埼京のぞみチャペ
ル会員)
(保守バプテスト同盟:恵泉キリスト教会埼京のぞみチャペル)
(今回このコーナーにて、KGK(キリスト者学生会)卒業生会でともに奉仕させていただいている大串姉に、信徒主催の
バイブルクラス(聖書研究会)について証を執筆していただき、心より感謝しております。 石井 和幸)