「同労者」第7号(2000年4月)   随想に進む   目次に戻る   紙上メッセージに戻る

聖書の植物

 アロエ
Aloe arborescens
(英) aloe ユリ科
 
 今月はイースターを考えて、イエスの埋葬と復活の記事に出てくる植物を取り上げたいと思
います。「前に、夜イエスのところに来たニコデモも、没薬とアロエを混ぜ合わせたものをおよ
そ三十キログラムばかり持ってやって来た。」(ヨハネ19:39)没薬は99年12月号で取り上げまし
たので、今回は後の方のアロエを載せてみます。
 アロエは、観葉植物としてたくさん出回っていますので、花屋さんや植物を扱うホームセンタ
ーなどに行くと容易に見ることができます。薬用にも使われています。
「主が植えたアロエのように…」(民数記24:6)
イスラエルをアロエに例え、アロエをよいものとして扱っています。
「あなたの着物はみな、没薬、アロエ、肉桂のかおりを放ち…」(詩篇45:8)
「没薬、アロエ、肉桂で私の床をにおわせました。」(箴言7:17)
「ナルド、サフラン、菖蒲、肉桂に、乳香のとれるすべての木、没薬、アロエに香料の最上のも
のすべて、…」(雅歌4:14)


アマ
Linum usitatissimum L.
(英) flax アマ科


 「そこで、彼らはイエスのからだを取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従って、それを香料といっ
しょに亜麻布で巻いた。」(ヨハネ19:40)「そして、(ヨハネは)からだをかがめてのぞき込み、亜麻
布が置いてあるのを見たが、中にはいらなかった。シモン・ペテロも彼に続いて来て、墓にはい
り、亜麻布が置いてあって、イエスの頭に巻かれていた布切れは、亜麻布といっしょにはなく離
れた所に巻かれたままになっているのを見た。」(ヨハネ20:5〜7)


「亜麻と大麦はうち倒された。…、亜麻はつぼみをつけていたから…」(出エジプト9:31)エジプトに
下された十の災いの一つです。
「幕屋を十枚の幕で造らなければならない。」(出エジプト26:1〜36)幕屋の内張り(26:1)、聖所と
至聖所を隔てる垂れ幕は亜麻布でした(26:31、33)。幕屋の入り口の垂れ幕も亜麻布でした(26:
36)。幕屋の庭の囲いも亜麻布でした(27:9)。庭の門も亜麻布でした(27:16)。
「栄光と美を表す聖なる装束を作れ。…亜麻布を用い…。エポデの上に結ぶ綾織りの帯は…
撚り糸で織った亜麻布で…。さばきの胸当てを…亜麻布で…作る。…亜麻布でかぶり物を作
る。…亜麻布のももひきを作る。…」(出エジプト28:2〜42)このように祭司の装束の重要部分に
亜麻布が用いられました。「亜麻布の衣服…、亜麻または羊毛の織物…」(レビ13:47〜48)「彼
女はふたりを…亜麻の茎の中に隠し…」(ヨシュア2:6)ラハブが二人の斥候を隠したのは亜麻の中
でした。「亜麻布の衣を着…」(エゼキエル9:3、13)「…亜麻布をかぶらせ…」(エゼキエル16:10) 聖書
にはこれらの他にもたくさん登場します。亜麻布はリネン(亜麻の1種類)と言った方が理解さ
れやすくなりました。獅子と言わずライオンと言った方が通じるようなものですが。



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