「同労者」第9号(2000年6月)             論説に進む   目次に戻る

巻頭言
− この時代を真摯に生きる − 
仙台聖泉キリスト教会   森田 心

「喜ぶ者とともに喜び、泣く者とともに泣きなさい。」(ローマ12:15)

 ――環境が瞬く間に変化するデジタル社会。インターネットを使うことによって企業も個人も
わずかなお金で短時間の内に必要な物や情報を探すことが出来る。スピードと的確さが要求
され、それに対応出来ることが勝ち組になっていく時代。そこには顔や感情のようなものは必
要とせず処理されていく。――私はこのような今のスピード化の時代に遅れをとってきているよ
うに思います。タイミングよく乗ろうと思うのですが、又、次の時にと思い、乗り遅れてしまう、し
かし、その事に対してあまり危機感もないので、きっともう乗れなくなるのではないかと思ったり
します。
 話は変わって教会の事になりますが、教会の中にはノンクリスチャンの方が見たならば、ず
いぶん無駄だと思えるような時間や、利益(得)に結びつかないと言えるような事があるように
思います。
 しかし、その時間の中に、神様の導きの御手があり、私も長い時間と祈りによって救われた
者で、神様と共に生きる道を歩むことが出来ました。その中で大切な事は、人の手に委ねられ
ている福音の働きがあり、それは時には何の変化も結果も見えないように感じられる中にも、
神様が動かして下さり、その恵みをたくさん見せていただきました。
 私は教会学校の青年科の教師をさせていただいています。若い人達に何かを教えようと思う
と、自分が20才の頃どうだったであろうかと考え、そこに接点を見つけだそうと思い集会をして
きました。最近久しぶりに証しの集会になり、何週間かかけ、4人のお証しをうかがいました。
今考えている事、問題、悩み、トライしようとしている事、色々な話の中に教師として適切な言
葉も、"がんばって"という励ましの言葉もかけてあげられませんでした。それは彼らが真剣に
そして繕わずに話をしたその中に、どう応答してよいか解らなかったからです。しかし、教会の
中では、教会学校の他に野球や音楽のバンドや遠足など、彼等とたくさん交わる時間がありま
す。その中で同じ時間を過ごすことができるので、その時を大切にしたいと思います。スピード
が要求されている時代にあって、何かをいつまでとか、結果を求めることではなく、一緒に歩む
という教会が大切にしている事を、私も共に生きさせていただきたいと思います。




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