「同労者」第60号(2004年10月)                        目次に戻る  

三浦綾子読書会
− 三浦綾子読書会とは(5) −
長谷川 与志充

 2002年3月に全国8箇所で行われるようになった三浦綾子読書会は、その後5月には宇都
宮が、6月には八王子が加わり、1周年を迎えた2002年7月には、全国10箇所で行われる
までになりました。
 その1周年を迎えた頃、読書会に新たな展開が訪れたのです。それは、三浦綾子さんの作
品を演劇化している2つの一般の劇団から連絡が入ったことに端を発していました。1つは「銃
口」を演劇化していた青年劇場という劇団で、もう1つは「母」を演劇化していたアドックという劇
団でした。それぞれから演劇成功のために三浦綾子読書会に協力依頼が入り、特に劇団アド
ックからはコーラスへの参加依頼があったのです。その依頼によれば、演劇の中で「山路越え
て」という賛美歌を本物のクリスチャンの方々に歌ってほしいとのことでした。
 そこで、読書会から数名のメンバーがこのコーラス隊に参加することとなり、私もそこに加わ
りました。本番前日のリハーサルに行ってみると、演出家の方が突然私に「一言『官憲横
暴!』と叫ぶ役をやってほしい。」と言われ、私も仕方なくその役を引き受けることにしました。
(心の中では「演出家横暴!」と叫んでいました。)
 本番では神様の祝福が豊かに注がれ、コーラスも配役も成功裏に終えることができました。
観客は公演後感動のあまり涙をこらえきれずにいましたが、私の中には別の意味でこらえき
れない思いが湧き上がっていました。それは、この演劇とコーラスを三浦綾子読書会で行わな
ければならないという非常に強い思いでした。「もしこの人たちが黙れば、石が叫びます。」(ル
カ19章40節)という言葉が聖書にありますが、まるでクリスチャンや三浦ファンが叫ばなかっ
た結果、クリスチャンではない人達が石のように叫び始めたのではないか、と私には思われた
のです。
そして、神様は「クリスチャンであり、三浦ファンであるあなたがたに、本当は三浦綾子の作品
を演じてほしいのだ。」と語って下さっているように感じられたのです。
 そこで、私はこのアドックの公演後すぐさま行動に出ました。演劇のことも、演劇関係者も全く
知らない中で、無謀とも思われる行動に出たのです。いくつかのメディアを使って劇団員の募
集を掛けたのです。主が本当にこのことをなそうとしておられるなら、主は必ずそのための人
を導いて下さる、これがその時の私の信仰でした。
 その後しばらくして、演劇・コーラス部門立ち上げの日がやって来ました。「果たして誰かやっ
て来る人は起こされるだろうか?」不安と期待が入り交じったような気持ちで私は決起集会の
会場で待っていましたが、そこには次から次へと人が入って来て、ついには10名を越える人
達がそこに集められることになったのです。
                                  (東京ミレニアム・チャーチ 牧師)



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