「同労者」第60号(2004年10月)                           目次に戻る

聖書研究
仙台聖泉キリスト教会 聖書研究会1982.10.26(予稿)から
未来における救いについて(4)
野澤 睦雄
 
(1)キリスト再臨の内容、条件、時期(つづき)
 <キリスト再臨の条件(つづき)>

 − ダニエル書から −
 ダニエル書を読みますと、キリスト再臨のことが書かれていることが分かります。
その中から3カ所取り上げてみましょう。

・ネブカデネザル王の見た夢
「王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常
ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。その像は、頭は
純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。  
あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足
を打ち、これを打ち砕きました。そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦
打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。そして、そ
の像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。
 これがその夢でした。私たちはその解き明かしを王さまの前に申し上げましょう。
王の王である王さま。天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、また人の子ら、野の
獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。
あなたはあの金の頭です。あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。次に青
銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。第四の国は鉄のように強い国です。
鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が打ち砕くように、先の国々
を粉々に打ち砕いてしまいます。
 あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは
分裂した国のことです。その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、
その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。その足の指が一部は鉄、一部は粘土で
あったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。鉄とどろどろの粘土が混じり合って
いるのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。
しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。
 この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることが
なく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅してしま
います。しかし、この国は永遠に立ち続けます。あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手
によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる
神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。その夢は正夢で、その解き明かしも
確かです。」(ダニエル書2:31〜45)
 これはバビロンのネブカデネザル王が見た夢をダニエルが解き明かしたところです。その中
に、バビロンに次いでメデアとペルシャ、次にギリシャ、次にローマが起こってくることが示され
ています。そしてそこに示されている歴史のまとめ方に従うと、私たちがいる今はローマ帝国の
続きであり、鉄と粘土が混じり合っている時代です。
 この時代にキリストが再臨され、すべての国々を粉砕され、キリストの王国を創られることが
示されています。
 人手によらずに切り出された一つの石は、初臨のキリストを示すものではありません。なぜな
ら初臨のキリストは、ローマ帝国が一つであった鉄のすねの時代に既においでになったからで
す。この石は鉄と粘土が入り交じった十の国の時代に来るからです。キリストが再臨される時
には、世界が十ヶ国になっているか、十の連合区域から成り立っていることが示されていま
す。

・ダニエルの見た夢
 「バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、一つの夢、頭に浮かんだ幻を
見て、その夢を書きしるし、そのあらましを語った。ダニエルは言った。「私が夜、幻を見ている
と、突然、天の四方の風が大海をかき立て、四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四
頭はそれぞれ異なっていた。第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。
・・・。また突然、熊に似たほかの第二の獣が現われた。・・・この後、見ていると、また突然、ひ
ょうのようなほかの獣が現われた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭が
あった。そしてそれに主権が与えられた。・・・ その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、
第四の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持ってお
り、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異
なり、十本の角を持っていた。・・・。
 私が見ていると、幾つかの御座が備えられ、年を経た方が座に着かれた。その衣は雪のよう
に白く、頭の毛は混じりけのない羊の毛のようであった。御座は火の炎、その車輪は燃える火
で、火の流れがこの方の前から流れ出ていた。幾千のものがこの方に仕え、幾万のものがそ
の前に立っていた。さばく方が座に着き、幾つかの文書が開かれた。・・私がまた、夜の幻を見
ていると、見よ、人の子のような方が天の雲に乗って来られ、年を経た方のもとに進み、その
前に導かれた。この方に、主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことご
とく、彼に仕えることになった。その主権は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は滅び
ることがない。
・・・。
 ダニエルの心は、私のうちで悩み、頭に浮かんだ幻は、私を脅かした。私は、かたわらに立つ
者のひとりに近づき、このことのすべてについて、彼に願って確かめようとした。すると彼は、私
に答え、そのことの解き明かしを知らせてくれた。
『これら四頭の大きな獣は、地から起こる四人の王である。しかし、いと高き方の聖徒たちが、
国を受け継ぎ、永遠に、その国を保って世々限りなく続く。』それから私は、第四の獣について
確かめたいと思った。それは、ほかのすべての獣と異なっていて、非常に恐ろしく、きばは鉄、
爪は青銅であって、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。その頭には十本の角
があり、もう一本の角が出て来て、そのために三本の角が倒れた。その角には目があり、大き
なことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。私が見ていると、その角は、
聖徒たちに戦いをいどんで、彼らに打ち勝った。
 しかし、それは年を経た方が来られるまでのことであって、いと高き方の聖徒たちのために、
さばきが行なわれ、聖徒たちが国を受け継ぐ時が来た。彼はこう言った。『第四の獣は地に起
こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ
砕く。十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の
者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の
聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と
半時の間、彼の手にゆだねられる。
 しかし、さばきが行なわれ、彼の主権は奪われて、彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。
国と、主権と、天下の国々の権威とは、いと高き方の聖徒である民に与えられる。その御国は
永遠の国。すべての主権は彼らに仕え、服従する。』・・・。」(ダニエル書71〜27)
 
 イエス・キリストが、わたしは「天の雲に乗ってくる」と言われたのは、この箇所のことを指して
います。
ネブカデネザルの夢とおなじで、四つの国が興り、その最後の国の時代に、この予言が成就
し、キリストは再臨されることが示されています。
(以下次号)
(仙台聖泉キリスト教会会員)



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